和服や和テイストのファッションを取り入れるには?
【ファッション・ブロガー小林直子のお悩み相談 Vol.8】
ファッションの悩みは尽きないもの。コーディネートやワードローブの組み立て方から、ライフスタイルまで、読者から届いたファッションの相談に『お金をかけずにシックなおしゃれ』(KADOKAWA)などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが答えます。
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◆年末年始、ちょっとしたお出かけの時に和服にチャレンジしたいと思っています。
今までまったく着物を買ったことがなかったのですが(20年前の成人式はレンタルで済ませました)最近、和柄が素敵だなと惹かれ始め、小林さんの連載で日本風スタイルが海外ではア・ラ・ジャポネとして評価されていることも知りました。
教えて頂いたように、刺繍の入った洋服や小物を少しずつ取り入れ始めたのですが、小さなパーティーやお呼ばれの機会が年末年始にあるので、せっかくの非日常シーンだし、いよいよ着物を着てみたいなと思い立ちました。
日本風スタイルを取り入れるセカンドステップをぜひ教えていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
(あやっくすさん)
以前の連載で取り上げたように、日本の着物にインスパイアされたと思われる日本風スタイルは、パリ、ロンドン、ミラノ、NY等のコレクションに周期的に登場します。実は、この傾向は今始まったことではありません。
さかのぼること19世紀末、ファッションの世界において日本風スタイルは、まずドレスに使われる生地として出現しました。
その後、美術や工芸の世界における日本風スタイル、いわゆるジャポニスムの広がりとともに、ヨーロッパでは主に室内着としてキモノが着られるようになりました。
そして1906年、ポール・ポワレが着物のような直線断ちでゆるやかなラインのキモノ・コートを発表して以降、キモノ・スリーブ、コクーン・シェイプ、幅広の帯のようなベルト、足袋風のソックスやブーツ、ぽっくり下駄風のサンダル、打掛のようなコート、豪華な刺しゅうや織物、日本風の柄等、着物風のシルエット、ディテールを採用した、着物のような、しかし日本の着物とは全く違うキモノ及びそれに付随したスタイルが西洋の衣服の中に見られるようになり、それが現在まで続いています。
しかしどういうわけだか、これが日本ではさっぱりはやりません。どんなに着物に寄せた色・柄のドレスや、帯風の太いベルトが提案されようとも、取り入れる人はごく少数です。
例外的にマルタン・マルジェラの足の指先が二股に割れたタビブーツだけは一部のファッションに敏感な人、もしくはマルジェラファンのあいだではやりましたが、それとて、街でよく見るほど、ましてやコピー品が出回るほどはやったわけではありません。
それでは日本風スタイルではなく、正真正銘の着物であったら、現代でも多くの人が着るのだろうかといったら、現状は悲惨なもので、七五三、そして成人式の着物以外で、日常的に着物を着る女性は年々減ってきているように見受けられます。
もちろんこれにはいろいろな理由が考えられます。
まず、着物での移動や活動は、ズボンをはきなれた人には容易でないということ、そして何より、新品の着物を帯から下駄まで一式そろえるとなると、大変高価で、現在の日本の平均的な収入の女性には簡単に手を出せるようなものではないということがその主な理由でしょう。
それでも何かの機会に、今まで洋服ばかりを着ていた人が着物を着てみたいという場合、少しは方法があります。
まず一つは、洋装に近い和装の着物です。
例えばスタイリストの大森伃佑子さんがディレクションするドゥーブルメゾンというブランドでは、洋服の素材やディテールを取り入れた新しい和装のスタイルを提案しています。
洋服も好き、だけれども着物も着てみたいという人には、こんなスタイルもいいでしょう。
Q.和服や和テイストのファッションを取り入れるには?
ファッション・ブロガー小林直子からのお答え
日本人が日本風スタイルを取り入れるのは気恥ずかしいということなのでしょうか。これほどまでに無視される理由は、私にもよくわかりません。
日常的に着物を着る女性が年々減ってきている理由は…
洋服の素材やディテールを取り入れた新しい和装スタイル
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ファッション・ブロガーの小林直子さんが、あなたのファッションの悩みにお答えします。相談したい方は、こちらのお問い合わせフォームまで、お名前はハンドルネームまたは匿名希望、題名の冒頭に【小林直子さん相談】を入れ、お送りください。コーディネートのことやワードローブの組み立て方、ファッションに関わるライフスタイルについてなど、ファッションに関することであれば何でも結構です。
※相談内容の一部を変えて取り上げさせていただく場合がございます。
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