家族がインフルエンザにかかったら…家庭内感染の防ぎかたを医師にきく
全国的に大流行となっているインフルエンザ。飛沫や接触によって感染するため、学校や職場といった人が多く集まる場所だけでなく、家庭内でも注意が必要です。
とはいえ、家は生活の場なだけに、思わぬところからうつってしまうことも。そこで、正しい家庭内感染の予防策について、女子SPA!編集部スタッフの1人が家族の看病中に実際におこなった事例や、よく聞くウワサをもとに、『止まらない咳を治す!』『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』など数々の著書で知られる、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生に伺いました。
――次に挙げる方法がインフルエンザの家庭内感染予防に有効かどうか教えてください。
Q1 患者を部屋に隔離して、加湿器で湿度を上げる
大谷義夫先生(以下、大谷)「患者さんを隔離するのは正解です。ただ、お子様の場合は様態の急変や異常行動の心配があるので、大人が傍で見ているようにしてくださいね。部屋の湿度を上げるのも、ウィルスを排除する線毛の活動をよくして喉の免疫を上げるので有効です。湿度は50~60度を保ってください」
Q2 患者との接触は最小限にしつつ、会話したり患者の部屋に入ったりするたびに、手洗い、うがい、アルコール消毒を徹底
大谷「インフルエンザは飛沫や接触で感染するので、患者さんとの接触回数が少ないほど感染リスクは低くなりますね。ドアノブや手すりなどにウィルスがついていることも考えられるため、接触のたびに手洗いやアルコール消毒をするのも効果的です。
手洗いは、手のひら、手の甲、指や爪のあいだから手首まで、30秒ほどかけて泡でしっかり洗います。手を拭くタオルは繊維にウィルスが付着している可能性もあるので、家族で共用しないでください。いちばんいいのは使い捨てのペーパータオルです。
アルコール消毒は、15秒ほどかけて、手全体にしっかりと擦り込んでください。石鹸での手洗いより効果が高いというデータが出ているので、普段はアルコールでこまめに消毒し、患者さんの痰などが着いたときは石鹸で洗うというふうに、上手に使い分けるといいかもしれませんね。
なお、うがいはインフルエンザ予防に関しての有効性が証明できなかったとしてエビデンスから消えたので、推奨はされなくなっています。一方で、風邪の予防には水うがいが有効と示す論文がでておりますので、外出後のうがいは行った方がいいと考えております」
Q3 患者の触ったドアノブや家具、スイッチなどはエタノールで拭いて殺菌
大谷「これも患者さんが触るつどやったほうがいいですね。インフルエンザウィルスは、衣服などの繊維や紙に付着した場合は8時間ほど、金属やプラスチックなどでは約24~48時間生存すると言われていて、患者さんが触ってからしばらく経っていても感染するリスクがありますから」
よくある家庭内感染予防策、効果のほどは?


