そんな手指の痛みに悩む方々をラクにしたいと、富永喜代先生が考案したのが自宅でも簡単にできる“10秒神経マッサージ”です。そのマッサージのルールは次の3つ。
【ルール1】爪を立てて行う
指の腹ではなく、爪を立てて体表近くにある「神経ポイント」を直接刺激。ただし、爪が長い人は、強く押すことで皮膚を傷つけるので注意が必要です。
【ルール2】イタ気持ちいい強さで行う
ほどよい圧をかけて、刺激を脳に送ることが大切です。「どちらかといえば痛いけれど、気持ちよさも感じる」ほどの強さをキープすること。また、「神経ポイント」を正確に捉えましょう。
【ルール3】1か所10秒を守る
長く押せばそれだけ効果が上がるわけではなく、長時間すぎると過剰な刺激になってしまいます。1か所10秒を守り、朝と夜の1日2回を目安に行ってください。
続いて、へバーデン結節の痛み・しびれを予防・改善したい人に、7つあるうちから特におすすめの“手の10秒神経マッサージ”をご紹介。
1. 手指の痛みを感じるほうの手の人さし指と親指の骨を触りながらたどり、両方が交わってV字形になる場所を探します。
2. そのV字のつけ根から反対の手の親指を立て、人さし指の骨のキワをグリグリと刺激します。
ここの神経ポイントは、東洋医学のツボで知られる「合谷(親指と人さし指のV字部分の奥)」よりもやや人さし指側の骨のキワです。
※NGポイント
親指と人さし指の間から行わない
親指と人さし指の間から行うと、「合谷」のツボに当たりやすくなるため、神経ポイントからズレてしまいます。親指の外側から刺激しましょう。
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『
へバーデン結節を自力で防ぐ』では、「へバーデン結節」以外にも「ばね指」や「手首の腱鞘炎」などのメカニズムや、痛みやしびれから解放される「10秒神経マッサージ」、手指が痛いときの生活の知恵の数々を紹介しています。
手指の痛みには、糖尿病、脳梗塞、頸椎症、ヘルニアなどといった、重大な疾患が隠れていることも。まずは痛みの原因を知り、早めに対処したいものです。
【監修/富永喜代先生】
富永喜代先生
富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会認定麻酔科専門医、産業医。
1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務し、2008年、愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業、へバーデン結節外来を開設。テレビ出演も多数。著書に『こりトレ』、『気力をうばう「体の痛み」がスーッと消える本』、『へバーデン結節、腱鞘炎、関節リウマチ…手のしびれ・指の痛みが一瞬で取れる本』、『指先の激痛・腫れ・しびれ へバーデン結節は自分で治せる!』など
<イラスト/宮下やすこ 取材・文/株式会社レクスプレス>