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別れた男女がまた恋に落ちることはあるのか。恋愛映画の巨匠に聞く

「人生最良の日々はこれから来る日々」

――愛の瞬間は真実だから別れた人と恋に落ちることもあると。監督の恋愛観を一言で言うと? 『男と女 人生最良の日々』よりルルーシュ監督「女性を幸せにすること。人生経験が浅い若い女性にとって愛は気まぐれですが、そういった女性を幸せにするのは難しい。ですから、『男と女』では、人生の酸いも甘いも噛み分けた女性を幸せにするという私の理想の恋愛を描きました。とはいえ、女性と恋に落ちるたびに私の恋愛観も変わるのですが(笑)」 ――過去に監督はご自分のことをロマンティックな楽観主義者だとおっしゃっています。 ルルーシュ監督「私は常に18歳ですから(笑)。ヴィクトル・ユーゴーは『最良の日々はこの先の人生に訪れる』と言っていますが、私にとっても人生の最良のときは、これから来る日々なのです。つまり、明日は今日より幸せになる。先程言ったように“今”を味わうことが一番の幸せだから。これまでの私の人生でも去年よりも今年のほうが興味深かったし、きっと来年は今年よりももっと楽しい一年になるでしょう」

始まりがあり終わりが来る…愛の物語は同じ

――1966年に1作目が制作されてから3作目の完成まで53年が経ちましたが、この間、フランスでは結婚の概念が変わったように思います。現代のフランスでは結婚以外のカップルの形、事実婚やパートナーシップなどがあり、結婚の数は減る傍ら婚外子の数は増えています。結婚や家族の概念が変わっても、愛の概念は変わらないと思いますか? ルルーシュ監督「時代が変わっても愛の物語は同じ。始まりと中間があって終わりが必ず来る。人は違う道を歩みながらも最後に辿り着くのは同じ所――死です。人間は誰かに愛されるために、様々な困難に立ち向かえると思うのです。私が映画を作り続けるのは誰かに愛されるためですが、実は、映画を女性以上に愛してしまったからなのです(笑)」 <文/此花わか> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
此花わか
映画ジャーナリスト、セクシュアリティ・ジャーナリスト、米ACS認定セックス・エデュケーター。手がけた取材にライアン・ゴズリング、ヒュー・ジャックマン、エディ・レッドメイン、ギレルモ・デル・トロ監督、アン・リー監督など多数。セックス・ポジティブな社会を目指してニュースレター「此花わかのセックスと映画の話」を発信中。墨描きとしても活動中。twitter:@sakuya_kono
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