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本作でメガホンを取ったジェイ・ローチ監督は、「不屈の精神とタフさとカリスマ性を持ち合わせた彼女だからこそ、誰もが彼女の言うことを聞いてくれるんだ」と、その手腕を振り返っている。だが、当の本人は当たり前のことをしたにすぎないと謙遜する。
「本気で興味と情熱を持っている限り、小さな障害くらいじゃ諦めきれない。そもそも簡単に実現できちゃったら、夢中になれていないと思う。苦労があるからこそ、達成感が大きいものよ」
そんな彼女の水面下の努力により、『スキャンダル』はついに完成。MeTooやTime’s Up運動でセクハラへの意識が高まるなか、絶好のタイミングでの公開となった。
「私自身、社会のムーブメントと自分のキャリアがリンクしたことは、これまでなかった。今では、多くの勇敢な女性たちが自らの経験を共有するようになっている。だからこそ、この物語をみんなに知ってもらうことが大事だったの。このムーブメントのおかげで、セクハラは社会システム全体の問題であり、誰もがきちんと向き合う必要があると気づきはじめた。本当の改革は、みんながセクハラに関して話し合うことから始まるものだと信じているわ」
【シャーリーズ・セロン】
’75年、南アフリカ共和国生まれ。ケガでバレエを断念したのち女優デビューし、『ディアボロス/悪魔の扉』(’97年)でブレイク。アカデミー賞主演女優賞受賞の『モンスター』(’03年)以降、プロデュース業も兼任
<取材・文/小西未来>