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磯村勇斗「意外と子どもっぽい一面もありますよ」、30歳の今描く憧れの俳優像は“作れる人”

渇水 磯村勇斗【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます  出演映画『渇水』が公開中の俳優・磯村勇斗さん(30)。映画にドラマにと、観ないときはないほど、引っ張りだこの磯村さんですが、『PLAN 75』『ビリーバーズ』『波紋』など、社会的なメッセージを突きつける作品への出演も多い印象です。  そんな磯村さんに話を聞くと、「普通、俳優はゼロから1は作れないものだけれど、僕は、ゼロから1を作れる俳優になりたい」と語ってくれました。  その言葉に込めた思いとは。

脚本から、この時代に必要な要素を感じた

――市の水道局員として、水道料金滞納者のもとを訪ね、水道を止めて回る業務に当たる主人公・岩切(生田斗真)。磯村さんは、岩切とともに行動する同僚・木田を演じました。感じ入るところの多い作品ですが、磯村さんは最初にどんな印象を持ちましたか? 磯村勇斗さん(以下、磯村)「脚本を拝見して参加したいと。即決でした。水道局員の主人公を軸にして、格差社会をテーマにしながら物語が進んでいくところが新しいと思いましたし、岩切が最後に起こす革命が、小さいけれども、この時代に必要な要素なんじゃないかと感じたので参加したいなと」
渇水 磯村勇斗

(C) 「渇水」製作委員会

――なかでも、母親に育児放棄された姉妹と、岩切と木田、4人のシーンが印象的です。 磯村「そうですね。僕はアイスを4人で食べるシーンが好きです。それまでは距離感があってなかなか歩み寄れなかったんだけれど、あのときだけ、時間が少しだけゆっくり流れて、すべてが平和になるというか。現場でも“いい時間だな”と感じましたし、岩切にとってもターニングポイントにもなった、とても素敵で、重要なシーンだったと思います」

人はぐるぐる同じ過ちを繰り返している

――本作は30年前に書かれた河林満さんの同名小説が原作ですが、「昔はこうだった」ではなく、むしろ今に響く内容です。 磯村「正直、ずっと変わってないんだろうなと思います。実際、今もなお停水は執行されていて、何かしら社会と共存できなかったり、金銭で苦しんでいたりする人たちがいるわけです。 SNSなどの影響で情報が入りやすくなってきたことで、そうした人たちがいるということを目にすることも多くなりました。子どもを育児放棄する母親・父親がいるといったことも、社会問題として取り上げられることも多くなっています。人はぐるぐる同じ過ちを繰り返しているというか、同じ問題を抱えているんだろうと感じます。僕が去年主演した『ビリーバーズ』という作品も原作は1999年に書かれたものですが、公開日にちょうど大きな似た事件があったりして。結局社会は何も変わっていないんだなと感じました」 ――ただ、こうして世に出すことには、やはり意義が。 磯村「もちろんあると思います。それがあるからこそ、参加したいという気持ちもあったので。どれだけ影響力があるかはわからないですけど、こうした作品を作ることは必要だし、届けていくことが、やっぱり映画の魅力の1つだと思うので。ひとりでも多くの人に刺さってほしいと思います」
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磯村がなりたい俳優
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渇水』は6月2日より全国公開中
配給:KADOKAWA
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