Entertainment
Human

還暦を迎えた元祖メンノン出身俳優、ずっと大切にしてきた“若き日の先生の教え”

イケオジ俳優の先頭を走り続ける加藤雅也さん(60)にインタビュー。今年もすでに3本目となる映画『1秒先の彼』が公開中です。 本作は、ラブストーリーであり、「人生」についても考えたくなる作品。 自身の人生を「運」があったからと言い切る加藤さんが、恩師とのエピソードを交えて、運とは「自分を“運ぶ”こと」と語えてくれました。 katomasaya【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

オン・オフを切り替えること、心の豊かさを持つこと

――『1秒先の彼』では、人よりワンテンポ早いハジメくん(岡田将生)とワンテンポ遅いレイカちゃん(清原果耶)を巡るストーリーが展開していきます。加藤さんは、ハジメの父で、ワンテンポ遅い側の人を演じています。加藤さん自身は、人より早い、遅い、どちらのタイプですか? イメージ的にはパパっとしていそうです。 加藤雅也(以下、加藤)「パパっとしている方だと思います。タイミングが大事だし、何事も先手、先手で考えていますね。でもどこかでダラッとしたり、オフの時間を作ったりすることも考えます。僕はロスでも生活していたけれど、日本と違って、土日はみんなオフなんですよ。月曜から金曜までは猛然と働いて、パッと切り替える」
物語の鍵となるハジメの父・加藤雅也

物語の鍵となるハジメの父・加藤雅也

――日本は違いますか? 加藤「オン・オフの境目がないですよね。みんないつも気を張っている気がします。僕は動くときはバーっと動きますが、ダラッとするときはしているし、うーんと考えているときもある。ダラダラしているようで、頭の中ではフル回転のときもある。要はどちらも必要で、バランスが大事ですよね。 それから、アートや、道端に咲いている花を見たりしたときに『いいな』と感じられなくなっている人は、追い込まれているのかなと思う。ワンテンポ早いにしろ、遅いにしろ、心の豊かさに意識を向けることは、大切なことだと思います」

モデルから俳優にすぐ方向転換できたのは「運」

――加藤さんご自身について伺いたいのですが、加藤さんは、もともとファッション誌『MEN’S NON-NO』の創刊号から出られていたモデルさんです。そしていわゆるモデルから俳優へと進まれた開拓者かと。改めて、そういった意識はありますか? 加藤「ただ運が良かったんですよ。草刈正雄さんとか、団時朗さんといった方々が僕の前にいらっしゃるわけですが、そうした先輩の時代はモデルの扱いが悪くて、苦労されたと思います。僕らのときは偶然の産物で『MEN’S NON-NO』という雑誌のモデルにもファンがついた。そこに僕らがいただけのことであって、開拓者という感覚はないです。 katomasayaそれに、あのときは、いわゆるモデルらしいポーズを取らずに、自然に座って笑っているだけというのがコンセプトだったので、たとえば従来のモデルの訓練をされてきた方々から見ると『技術がない』となる。それが、いきなりファッションショーなんかに出たりするから、『違うよね』となる先輩方はいました。でもそれも時代が変わっていっていたということですよね。 僕は僕で、あくまで個人の道として、俳優になろうと歩いてきました。パリコレに行ったときに、自分のような身長では食べていけないと思いましたし、世界を知らなきゃダメだと思って世界にも出ました。俳優をやろうと思って、モデルからすぐに方向転換できたのも運があったから。ただ、時間がかかってもやらなきゃいけないとも当時、思っていました。モデルだけに頼っていると限界がくるだろうと思ったので」
次のページ 
運を掴むための秘訣
1
2
Cxense Recommend widget
(C) 2023『1秒先の彼』製作委員会

『1秒先の彼』は7月7日より全国公開 配給:ビターズ・エンド
公式サイト:https://bitters.co.jp/ichi-kare/
あらすじ :台湾映画『1秒先の彼女』を、舞台を台湾から京都に移し、さらに男女のキャラクター設定を入れ替えてリメイクしたラブストーリー。郵便局の窓口で働く、何をするにも人よりワンテンポ早いハジメ(岡田将生)が、「消えた1日」を探すことに。カギは、なんでも人よりワンテンポ遅い大学7回生のレイカ(清原果耶)が握っているらしいのだが……。『天然コケッコー』『オーバー・フェンス』の山下敦弘が監督、宮藤官九郎が脚本を担当。

加藤雅也Instagram:masaya_kato1192
あなたにおすすめ