“かわいいだけじゃだめですか?”続編に「気持ちよくない」と批判の声――前作とここまで違う、その理由とは?
「かわいいだけじゃだめですか?」がバズりまくったCUTIE STREET。その続編でもある彼女たちの新曲「かわいいさがしてくれますか?」に、一部から批判の声が上がっています。
「メロディがどこに落ち着くかわからないから不安な気持ちになる」や「複雑なメロディについていけるほど歌唱力がない」、「予想してた音程と違うとこ行ってばっかで気持ちよくない」という感想から、曲のコンセプトがぼやけていることが伺えます。
「かわいいだけじゃだめですか?」と「かわいいさがしてくれますか?」に共通しているのは、喋り言葉と歌の中間にある、半分ラップのようなボーカルスタイルです。それが前者では成功し、後者では不評を買ってしまいました。
なぜ「かわいいさがしてくれますか?」は期待通りの反応を得られなかったのでしょうか?
まず、曲のシンプルさが違います。「かわいいだけじゃだめですか?」は、タイトル自体がキャッチーなので、音楽の方であれこれと細工をする必要がありません。
よって、音節の多い歌詞がめくるめく飛び交うけれども、コード進行や歌のメロディには鼻歌で歌えるような素朴さが残っています。その素朴さゆえに、キラーフレーズである「かわいいだけじゃだめですか?」の語りが一層効いてくる構造になっているのです。
一方、「かわいいさがしてくれますか?」は文言としての強さに欠けています。説明口調っぽいのです。そのため、タイトルを全面に打ち出してインパクトを与えることができなくなっています。
この言葉の弱さゆえに、秒単位で転調をしたり、そこから関節を脱臼させるようにメロディを展開させていったりと、どうにかして飽きさせないようなアトラクションを配置せざるを得なくなっています。
タイトルの弱さが、音楽の無理矢理感を引き出してしまっていると言えるでしょう。
なぜ同じスタイルで結果が変わったのか?
タイトルの強さが曲の構造を左右する
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