「今が一番楽しい」還暦を迎えた江頭2:50が“アンチ”とも真摯に向き合い続ける理由
チャンネル登録者数487万人、サブチャンネル119万人(2025年7月31日現在)の大人気YouTube「エガちゃんねる」。動画再生回数10億回を超えるお笑いモンスターチャンネルを支えるのが映像ディレクターの藤野義明さん。
「あたおか」(「エガちゃんねる」好きの「頭がおかしい」視聴者)と呼ばれるファンの支持を集めてきたのだが、一部のアンチからは心のない声が上がった。「エガちゃんねる」を制作指揮する藤野さんはアンチコメントにも向き合ってきたそう。
――「エガちゃんねる」において通常動画と案件動画(企業などがスポンサーとなり、商品やサービスのPRを行う動画)の比率についてお聞きします。案件動画がチャンネル全体のどれくらいを占めていますか?
藤野:おおよそ月に1~2本ですね。案件動画に関しては、広告かつかなくても大丈夫なので最初はもう好き勝手にやれという気持ちで過激なネタをやっていましたが、再生回数が伸びなかった場合は、「お金をいただいている以上、これはプロとしてどうなんだろう」という気持ちが出てきて、そこから過激なネタはやりつつも多くの皆さんに届くように心がけて制作しています。最低でも100万回再生は取らないと、うちにオファーしてくださっている企業さんに申し訳ないですから。
――企業にとってもいいプロモーションになる動画にならないといけませんからね。そもそも週2本の動画を5年間も上げ続けていると、企画を考えること自体がとても大変ではないでしょうか?
藤野:たまにコメント欄で「エガちゃんねる、そろそろネタ切れ」と書かれたりするんですけど、「なめんな、もうネタなんてチャンネル始めて1か月で全部尽きているんだ。そこから5年間ずーっとネタ切れの中、毎回毎回必死になってネタを考えて作っているんだ!」と言い返したいですね。それはほかのクリエイターも同様だと思いますよ。
――「エガちゃんねる」はコラボする相手を選んでいる印象があります。コラボをやる際の判断基準はありますか?
藤野:うちはコラボをしてチャンネル登録者数を増やそうという考えはあまりありません。まず江頭さんのよさが活きる相手かどうかをコラボの判断基準にしています。江頭さんが誰とでも合わせられるタイプの芸人ではないので。玉袋筋太郎さんや寺門ジモンさんとかは長年苦楽を共にしていた関係性があるので、一緒にやったら面白い動画を配信できるんじゃないかなと思ってコラボさせていただきました。
――「エガちゃんねる」ではテレビ業界でトップクラスの編集能力を持っている選りすぐりのプロフェッショナルが編集に携わっています。動画制作においてテレビとYouTubeというのを区分けして制作されていますか?
藤野:「エガちゃんねる」を始めた当初はテレビからYouTubeに参戦しているケースが少なくて、テレビ的な作り込んだ編集は嫌われると言われていたんですよ。そこを我々はテレビのようにゴリゴリの編集したものを配信していったことが結果的にいい方向に行ったと思います。テレビとYouTubeで大きく違うのは尺が決まっていないことです。テレビだと何分何秒何フレまで決まっていますが、YouTubeだと必要だと思ったところは全部入れられるので、そこがテレビよりやりやすい部分ではあります。あと、音へのこだわりがあってそこはテレビ時代にプロの音効さんと20年近く一緒にやってきて、培ってきた経験を活かして自分たちで全部音付け作業を行っています。
――藤野さんが番組制作をする上で大事にしていることは何ですか?
藤野:一番力を入れているのは編集です。編集のクオリティでは他のチャンネルにも負けないようにしています。あと、出ていただいたゲストに損をさせないことは大事ですね。出てもらった以上、「出演してよかった!」と思ってもらいたい。「エガちゃんねる」がきっかけでこの人が好きになったとかコメントでてくるのは嬉しいですね。
「エガちゃんねる」流の“案件動画”の作り方
編集のクオリティは他チャンネルには負けない
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