Entertainment
Human

「このままでは死んでしまう…」元天才子役が明かす。人気ドラマ終了後、どん底の日々の中で思い出した“先生の言葉”

 橋田壽賀子脚本の人気長寿ドラマシリーズ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)で10歳から12年間、“加津ちゃん”こと野々下加津役を演じていた宇野なおみさん(35歳)。かつて“天才子役”と呼ばれた宇野さんは現在、フリーライターとして活動中です。
「渡鬼」舞台版のときの筆者

「渡鬼」舞台版のときの筆者

 子役として過ごしたあの頃、渡鬼シリーズ終了後の歩み、そして現在にいたるまで——当時は語れなかったことも含めて、宇野さんが“今だからこそ”綴るエッセイ連載です(以下、宇野さんの寄稿)。 【前回の記事】⇒国民的人気ドラマに12年間出演した“天才子役”の今。本人がつづる当時の苦労「ぶっちゃけ無茶だった」

“元天才子役”がライターになったワケ

3年前、相模原のJAXAに取材に行った時の宇野

3年前、相模原のJAXAに取材に行った時のもの

 皆様、ご機嫌よう。宇野なおみです。毎日暑いですね……水出し緑茶が進みます。  今回はライターになった理由についてお話ししたいと思います。そうそう、しょっちゅう聞かれるのですが、別に芸能界を引退したわけではありません。7月にテレビ出演させていただいたり、おととしは舞台に出演していたり実はしております。  文房具屋さんに郵便局の看板がかかっていることがありますでしょう?言われたら切手とかはがきとか出してくれるじゃないですか。あんな感じです。

ひどい「じんましん」で仕事をすべてキャンセル

2018年の宇野

2018年当時。8時に国際展示場集合、なんていう仕事も結構やりました

 20代の頃は、芝居を続けながらフリーランスでいろいろな仕事をやっておりました。  英語を活かして通訳・翻訳をしたり、普通に接客のバイトをしたり。展覧会のツアーガイド、邦楽器のイベントMCなど、本当にいろんなことをやっていたのですが、ある日、体に異変が起こりました。  じんましんが、ありとあらゆるところに出るようになったんです。  もともと出やすい体質で、プレッシャーやストレスでよく出ていたんですよね。実は渡鬼出演時もたびたび発症していたものの、ここまでひどいのは初めて。  顔を含めた全身が真っ赤になり、ほてったまま。当時春先だったのにアイスノンを敷き詰めた上で寝ていました。太陽の光を浴びても、ウエストゴムや下着の締め付けでも真っ赤に腫れてしまうので、外に出る事すらろくにできなくなって。  治る様子はまったくなく、ついに喉、顎、目のふちにじんましんが出るようになるありさま。じんましんというのは体中どこでもできる疾患です。寝ているときに喉を掻きむしり、気管をふさいで呼吸困難になることもあると知り、本当に怖くて……。実際に朝起きると、首やお腹や太ももに掻きむしった跡が残っている。無意識でやってしまうことが恐ろしかったです。  当然、仕事も基本的にはすべてキャンセル(一度、展示会の事前準備スタッフに入ったところ、ストッキングで肌が真っ赤に)。抗アレルギー剤の影響でぼーっとする以外は元気、だけどただ横になっているしかできない。実家暮らしの私は、飢える心配こそないものの、ふがいなく、己を責める毎日でした。
次のページ 
ふと思い出した橋田壽賀子先生の言葉
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ