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「夫が半年帰らず離婚」経営者の妻から一転、養育費も途絶。シングルマザーが絶望のどん底から這い上がれたワケ

 今、日本には全国で母子世帯数は119万5000世帯、父子世帯数は14万9000世帯のひとり親世帯が存在している(2021年度 厚生労働省の調査より)。
若林優子さん

若林優子さん

 40年前と比較すると1.5倍程度に増加しており、コロナ禍や物価高も相まって、貧困に直面する家庭も少なくない。  そんな中で、ひとり親、貧困家庭に特化した支援を続けているのが、NPO法人子育て応援レストランの代表・若林優子さん。自身も、一人で子ども3人を育てながら、懸命に働くシングルマザーだ。

経営者の夫と離婚。養育費も途絶えた

 現在の活動に至るまでには、数多くの気づきと挫折の連続だったというが、最初に大きな壁にぶち当たったのは、夫との離婚だったという。 「当時、夫は経営者で、経営がとても順調で稼げるお金が増えたことで、人間関係も広がり、付き合いなども含めて、夜に飲みに出かけることが多くなりました。そうするうちに、だんだんと家に帰ってこなくなったんです。気づけば半年間家にまともに帰ってこない状態になりました。 その間も話し合いをしており、たまに家に帰ってくるので、そのうち冷めて戻ってくることに期待していましたが、最終的には『戻るつもりはない』の一点張りで、勝手に別の住処まで確保していたこともあり、離婚することになりました。ちょうど長男が受験期の中学3年生の15歳で、下の子どもが2人とも保育園に通っている時でした」 (若林さん・以下同)  その後、養育費の支払いなどの取り決めをした公正証書を作成したが、1、2年経たないうちにすぐに入金が途切れてしまったそうだ。養育費や児童手当を収入に加えれば離婚しても何とか親子4人で暮らしていける算段だったが、養育費の支払いが滞ったことで、若林さんに最初のピンチがやってくる。

幻聴、幻覚に悩まされるように

若林優子さん「裁判を起こして養育費を回収しようと思った矢先、元夫の事業が立ち行かなくなり、結局回収できない状況に追い込まれました。最低限の生活を送るために、必要なものをすべて削る生活をしていたのですが、そうするうちに、どんどん精神的に追い込まれていきました。 一番つらかったのは、子どもの習い事に行かせられなくなったことですね。切り詰めてくると自分の精神が削れてくるというか、子どもが欲しいというものを買ってあげられない、欲しいものを満足に買えないという状況が続くと、どんどん絶望感も増していきました。あとは、帰ってくるはずだった元夫が帰ってこないということが、なかなか受け入れられなくて、その頃から幻聴や幻覚に悩まされるようになってきました」  元夫はもう戻ってこないのはわかっているはずなのに、元夫が帰ってきた時のドアが開く音、階段を上がる音、寝室に入っていく音など、いつも聞こえていたはずの音が、勝手に聞こえるようになったという。  ベッドに寝ていて、上から物が落ちてきて、お腹の上に落ちて確かに痛いのに、ふと気づくと落ちている物がなかったりという幻覚にも苦しめられ始めた。
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心療内科や友人の力を借りながら、徐々に前向きに
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