69歳のかたせ梨乃が“自認16歳”のストーカーおばさんを怪演。狂気の深夜ドラマが現実味を帯びていてゾッとする理由
7月2日深夜から放送開始した新ドラマ『夫婦と16歳~狂気の隣人~』(テレビ東京系、木曜深夜24時30分〜)。現在『少年ジャンプ+』でインディーズ連載中の、ぱんぷきん氏による漫画『夫婦と16歳』が原作だ。
自分自身を「16歳の美少女」と信じ込んでいる主人公・白石美子(かたせ梨乃)が、隣の家に暮らしている既婚者のイケメン会社員・野村紘(豆原一成)に恋をし、執拗な猛アタックを繰り返す姿を描いた“禁断のラブストーリー”である。
「自認16歳の女性が孫ほど年の離れたイケメンに恋をする」という切り口はインパクト抜群で、放送前から話題を呼んでいたが、放送内容もその期待を超えるものだった。正直“出オチ”になりかねない設定だが、ちゃんとドラマとして見ごたえのある作品になっていた要因として、やはり美子役のかたせ梨乃の怪演が挙げられる。
ただ、終盤にかけて“美子視点”は剥がれ、“現実視点”になると、そういった感情は一気に消滅。ぶりっ子声で紘と接する“かたせバージョン”の美子は、背筋をぞわっとさせ、じめじめした季節にはぴったりだ。わざと転んだ際に差し伸べられた紘の手を撫で回すように握ったりなど、ちゃんとおっかない。
ラストには松本伊代の名曲『センチメンタル・ジャーニー』を、美子がダンス付きで歌唱する恐怖映像もドロップ。眼球にこびりつく可愛らしい美子のアイドルっぷりに胸がゾワゾワする。
美子は一人二役ならぬ“二人一役”
ドラマの序盤は“美子視点”で描かれており、少女姿の美子は現在20歳の林芽亜里が演じる。美子は紘に手料理のお裾分け、部屋の片づけ、風邪の看病などをし、まるで母親のような顔をして紘との距離を詰めていく。不器用ながらも甲斐甲斐しいその姿は昭和の恋愛ドラマの主人公そのもの。どこか懐かしさを感じ、美子の恋路を応援したくなる。
プリキュアに憧れている少女のような幼さ
かたせと言えば『極道の妻たち』シリーズが代表作として挙げられる通り、これまで凄みや威圧感を漂わせる怖い役柄を数多く演じてきた。怖さのベクトルが異なるだけで、美子もかなり“怖い存在”ではある。それでも、積み上げてきたキャリアがあるからこそ、かたせ演じる美子にはギャップが生まれ、見応えをより一層強めている。 なにより、演技の振り切り方も気持ちいい。美子は自認16歳ではあるが、ファッションから話し方まで、16歳のそれでもない。“プリキュア”に憧れている少女のような幼さがある。とはいえ、「高齢女性が小学生のフリをする」みたいなコントっぽさもない。ドラマの世界観に溶け込んでおり、浮かない程度の異質感を出せるのは役者としての技量の高さだ。そのバランス感覚が、美子に可笑しさと恐ろしさを与えているのだろう。『#夫婦と16歳 〜狂気の隣人〜』
— 『夫婦と16歳〜狂気の隣人〜』毎週木曜深夜24時30分放送中!【テレ東公式】 (@2216_tx) July 3, 2026
第1話「自認16歳美少女の61歳おばさん 」
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