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69歳のかたせ梨乃が“自認16歳”のストーカーおばさんを怪演。狂気の深夜ドラマが現実味を帯びていてゾッとする理由

ゾッとさせられた……もう1つの“怖い要素”

かたせの演技に背筋が凍らされたが、ゾッとさせられた要因がもう1つある。美子は40歳近く年の離れた紘に本気でアプローチしているわけだが、こうした大きな年齢差を伴う一方的な感情の暴走は、決してフィクションだけのものではない。 現実問題として、高齢者が若い人に好意を抱き、ストーカー化する事件は珍しくない。誰にでも笑顔で接客しているコンビニ店員に対し、「自分に好意があるのでは?」と身勝手な妄想を膨らませ、ストーカー行為に発展するケースはSNSなどでも度々目にする。
ただ、こうした事件の多くは男性が加害者となるケースが目立つ。本作のように高齢女性が年下男性へ迷惑極まりない恋愛感情をぶつけるパターンはあまり聞かない。だからこそ、本作は“生々しさ”が抑えられ、エンタメとして一定の距離を置いて楽しむことができる。 とはいえ、美子の“奇行”を見ていると、「今もどこかで高齢者に恋愛感情を抱かれ、苦い表情を浮かべながらその“好意”を払いのけている若者も多いのでは?」という想像が頭に浮かび、そのことにもギョッとさせられた。そして、恋愛には性別も国籍も年齢も関係ないことは間違いないが、「少なくとも相手が望んでいないのであれば、年齢差が大きい場合は特に、恋愛感情を一方的に表出しないこともマナーなのではないか?」と、多様性が叫ばれる時代に逆行していそうな疑問を、思わず抱いてしまう。 いろいろな意味で恐怖心を与える『夫婦と16歳~狂気の隣人~』。夏にマッチした内容で、注目したくなる。 <文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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