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朝ドラ『風、薫る』で“告白できない男”好演の小林虎之介(28)。再登場のたびに目を奪われる「洋装と独特の間合い」

 小林虎之介演じる竹内虎太郎は、いつ再登場して、主人公を愛する気持ちをいつ伝えるのか? 見上愛と上坂樹里W主演の連続テレビ小説『風、薫る』(NHK)には、そんな期待をつい抱いてしまう。  実際の虎太郎はなかなか気持ちを伝えられず、その度に視聴者は、彼の再登場を待ち焦がれ、恋い焦がれるしかない。明治時代を描く物語も大きく動き出している。小林演じる虎太郎役はそんな時代の空気を表現している。  西欧化する社会の中で、再登場した虎太郎がまとう洋装もその一つだ。“イケメン研究家”加賀谷健が解説する。

虎太郎の再登場を待ち焦がれる

『風、薫る』で小林虎之介が演じる竹内虎太郎は、主人公・一ノ瀬りん(見上愛)の幼なじみだが、虎太郎の方ではずっと恋する気持ちを温めてきた。だが本作もそろそろ終盤に差し掛かるというのに、虎太郎は未だに気持ちを伝えられていない。  第2週第7回で、まだ地元にいた頃のりんを、嫁ぎ先から東京に逃がしてやる夜の場面が決定的だったのだろう。うまく追っ手を巻いた虎太郎は、りんを乗せて遠ざかる小舟に大きく手を振った。 「りーん、俺ぇ……」と言いかけてどうしても愛の告白が口から出ず、それでも何か込み上げる思いを表現しようと、彼はエールを送ることしかできなかったのだ。  そこから舞台は東京に移り、再登場した虎太郎もやはり煮え切らない。東京で新たな職を得た2人はすれ違ってばかりで、恋のライバルたちも現れる。  でもきっと今度こそ、虎太郎はりんに気持ちを伝えるはず。視聴者は彼の再登場を待ち焦がれ、いちいち歓喜しては、なかなか進展しない恋模様に悶々とするしかない。

小林虎之介がまとう洋装の魅力

 第12週第60回、上京した虎太郎は驚くほど様変わりしていた。農民の子であり、鍬で畑を耕して汗を流していた彼も、明治政府の欧化政策によってしっかり洋装になっていた。でも単に順応したわけではない。では、農具を捨てた虎太郎は、なぜいきなり洋装になったのか?  明治は前時代の封建的な身分制社会を刷新した。新政府が四民平等に再編し、虎太郎のような農民(平民)も苗字を名乗ることが許され、りんの出自である士族と結婚できるようになった。  他の職業に就くことも可能になったため、虎太郎が製薬会社に勤めた背景がある。  元農民であっても新しい社会では洋装になり、自由にビジネスチャンスを得られる。りんと再会した虎太郎が「自分の力で上に上がれる」と強調していたのは、この時代らしい立身出世の言葉だ。  このように服装はその時代を映す鏡でもあるのだが、小林虎之介がまとう洋装の魅力は他作品にもある。
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時代の空気を表現する独特の間合い
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