日本列島がほぼ“イオン一色”に。早大生の「スーパー勢力図」で見えた、ヨーカドー撤退と34道府県で一強になった背景
スーパーはどこも同じかといえば、決してそんなことはありません。とにかくすべての商品が安いスーパー、プライベートブランドが強いスーパー、新鮮な野菜の多いスーパー……生活圏内のスーパーを上手に使い分けるとQOLは大きく向上するものです。
つまり、スーパーにはそれぞれ特徴があるし、出店にも戦略が必要ということ。群雄割拠、戦国時代の様相です。
そんななか興味深かったのは、「早稲田大学ショッピングモール研究会」のXアカウント(@shopping_waseda)が発信したポスト。
「各都道府県で店舗数1位のGMSをまとめてみた」というコメントとともにアップされたのは、同研究会が作成した日本地図でした。各都道府県で店舗数1位の総合スーパーをわかりやすくまとめ、発表しているのです。
それにしても、思った以上にイオンの一強状態になっていることに驚き! 特に、東日本はほぼイオン一色のようです。
このような地図をつくったきっかけ、GMS業界が現在のような状況になった理由、イオンの一強状態について思うこと……などについて、同研究会の前幹事長である坂部匠音さんに聞いてみました。
――“各都道府県で店舗数1位の総合スーパーをまとめた日本地図”を作成したきっかけを教えてください
坂部:もともとは学園祭の展示の一つで、ビジュアルで注目を引き、多くの人に興味を持ってもらえるコンテンツとして思いつきました。まさか、ここまで話題になるとは思ってもいませんでしたが……。
――改めて、どのようなお店のことを「GMS」と呼ぶのでしょうか?
坂部:「GMS」は「General merchandise store」の略で、日本語では「総合スーパー」という呼称が一般的です。
一言で表すと「衣食住がすべて揃ったスーパーマーケット」で、食品のみを扱う食品スーパー(SM)や、対面販売を基本とする百貨店とは似て非なるものとなっています。
しかし、実はその定義は厳密ではなく「百貨店っぽいGMS」「GMSっぽいディスカウントストア」といったものも見られ、実にややこしかったりします。
――この日本地図はどのように調査し、どのような方法で作成したのでしょうか?
坂部:各社のホームページから店舗を検索し、地道に集計していきました。
作成については、AdobeのIllustratorを用いて各ブランドのロゴを一つひとつ都道府県の形状に切り抜いていきました。ただただ地道な作業でしたが、思いのほかご評価いただけたようで、少し報われた気持ちになりました……(笑)。
――見たところ、実に34の道府県の1位がイオンでした。この結果に対する率直な感想を教えてください。
坂部:集計する前から「イオンが多いだろうな〜」とは思っていましたが、まさかここまでとは……というのが率直な感想です。
――このような“イオン一強”の状況となった理由として、どんな理由があると推察できますか?
坂部:1990年代は、「ダイエー」「イトーヨーカドー」「ジャスコ(イオン)」「サティ(マイカル)」「西友」の5大GMSがしのぎを削っている、いわば“GMS黄金期”。それに加えて各地域に有力GMSが存在し、勢力図は彩り豊かでした。
しかし、2000年代になるとGMSの時代は終わり、経営破綻によりダイエーやマイカルはイオンの傘下となったほか、西友は食品スーパーに舵を切り、GMSはイオンとイトーヨーカドーの2強状態となりました。
そして2020年代に入りイトーヨーカドーが大量閉店を実施し、北海道や東北から撤退したことで“イオン一強”の勢力図が完成したのではないでしょうか。
――東日本全体はほとんどイオンで占められていますが、それと比較して西日本はほかのGMSが奮闘している印象です。その理由としてなにが考えられる?
坂部:東日本はもともとイオンとイトーヨーカドーの2強でしたが、イトーヨーカドーが大量閉店をしたことでイオン一色となったと考えられます。
一方の西日本は、「ゆめタウン(イズミ)」「アルプラザ(平和堂)」「フジグラン(フジ)」といった地場GMSが強いエリアです。これらのGMSは、店舗の大型化・ショッピングセンター化を進め、2000年代以降も出店を続けました。
その結果、有力GMSが盤石な地位を保ち続けられたのではないかと考えます。
各社のホームページから店舗を検索し、地道に集計した
“イオン一強”になった経緯は……
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