プリーツスカートのコーデは脱・お嬢様風がコツってどういうこと?
【モードをリアルに着る! Vol.55/小林直子】
流行とはある一定程度、飽和(ほうわ)状態になると、そそくさと消えていき、また忘れたころに戻ってくる、その繰り返しです。
飽和状態の目安としては、小さな子供とお年寄りが着始めたころ。そのころには、あまりに見過ぎて飽きてしまい、もはやおしゃれには見えなくなるという状態に人々が陥(おちい)り、おしゃれな人々はその兆候が見え始めるやいなや、そのいわゆる「流行りモノ」を着るのをやめます。
そうやって、さまざまな「流行りモノ」アイテムが消え去り、それは人々の記憶の地層深くに堆積(たいせき)していくことになります。
プリーツスカートも、そんな記憶の地層にあったものでした。それはいつごろのものかと聞かれれば、90年前後ぐらいのものであったと記憶しています。
たしかにそのころ、ニットのものや、スクールガール風のウールサージのもの、華やかな色合いのポリエステルのプリーツスカートなどが多く出回り、多くの女性がそれを着用していました。
プリーツスカートが軽やかに復活したのは、2015・16年秋冬のグッチのアレッサンドロ・ミケーレのデビューコレクションでした。
久しく忘れ去られていたプリーツスカートが復活し、グッチのシルクのプリーツスカートは、より安価で洗濯がしやすく、プリーツがとれないポリエステルに置き換えられ、多くの人が春や夏にはくようになりました。
プリーツスカート復活の勢いはとまりません。2018年秋冬のコレクションにもさまざまなプリーツスカートが登場しましたが、その中でも特に目立ったのは、ナイフプリーツと呼ばれる、ナイフで切り裂いた跡のようにシャープな折りのプリーツスカートです。
今回取り上げるヴァレンティノのほかにも、バレンシアガ、ランバン、スポーツマックスなどがこのナイフプリーツのスカートやドレスを発表。1年じゅうを通してプリーツスカートをはこうという提案がなされました。
特に今回は秋冬シーズンということで、プリーツスカートに合わせるボトムにもバリエーションがあります。定番のタイツとブーツやロングブーツのほかに、新しい組み合わせなのがこのヴァレンティノのプリーツスカートにパンツを合わせるスタイルです。
ロング丈のプリーツスカートドレスにブレザー、そしてスカートと同色のパンツを合わせるスタイルは、フェミニンとマスキュリンを融合(ゆうごう)させるスタイルの1つです。
中性的な雰囲気が着る人自身の魅力を一層引き立て、「女らしさ」「男らしさ」の枠組みの外へといざないます。それは今まで見たことも感じたこともない美しさです。
さて、では私たちがこんなナイフプリーツのプリーツスカートスタイルを再現するにはどうしたらいいでしょうか。
かつて流行したプリーツスカートが復活
プリーツスカートにパンツを合わせる新しいスタイル
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