事実婚に不安はある?交際20年でも「いつか出ていけと言われたら…」
さまざまな家族の形が出てきている今、婚姻届を出さないカップルもいます。事実婚を選ぶ理由は何なのか? 不安はないのでしょうか?
アキさん(48歳)は、パートナーとつきあって20年。最初は単なる同棲、その後、子どもができたら婚姻届を出そうと彼が言って事実婚状態となったものの、子どもができることはありませんでした。彼女が親の介護のため別居状態になると「仕送り婚」、そして現在は再び同居して「内縁」関係に。
なんとも興味深い関係を続けているアキさんに、男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが話を聞きました。(以下、亀山さんの寄稿)
内縁と事実婚は、夫婦という認識はあっても婚姻届を出していないという点では同じだ。ただ、内縁が明治時代の民法によって「戸主の同意が得られない」ために正式な結婚ができないなどの理由により生じたものであることに対し、事実婚は別姓を重んじたり家意識への抵抗など自分たちの主体的理由で婚姻届を出さないことによる。
「そうすると私の場合は内縁なのか、事実婚なのか……」
悩むアキさんだが、そもそも彼とは上司と部下の関係だった。彼女が転職した28歳のころ、元上司となる彼から食事に誘われた。10歳年上でバツイチの彼は彼女の恋愛対象外だった。当時、アキさんには恋人もいたのだ。
「ただ、食事して飲んでいるうちに終電を逃しちゃったんですよね。彼が『ウチのほうが近いから泊まれば』と。そこから関係が始まったんです」
いつしか彼の家に泊まる回数が増え、恋人とは疎遠になっていく。そして彼女の借りていたマンションの更新時期が近づき、「越してくれば?」と彼が言ったのを機に同棲生活が始まった。
「結婚という言葉は出なかったんですが、私も若かったのであまり気にしていなかった。でも30代に入ったころ、ずっとこのままなのかなと呟いてみたことがあるんです。彼は『子どもができたら考えないとな』と言ったので、そうなったら結婚するんだなと思っていました。もともと上司と部下という関係だったこともあって、肝心なところだけは踏み込めなかったんです」
彼の家だったこともあるのか、最初から家事はほとんど彼がやっている。夕食も彼が帰ってきてから作ってくれる。それが習慣となった。
仕事をしていたアキさんだが、持病を悪化させて入院し、働けなくなった時期がある。彼は熱心に見舞いに来るわけでもなく、さりとて完全放置するわけでもなく、たまに来てはさらりと帰っていった。
「退院が決まったとき連絡したら『わかった。行けないけどひとりで帰ってきて』と。あ、私が帰ってもいいんだと思いました」
その後はアルバイトをしながら同居生活を続けてきた。彼女が浮気したこともあるが、彼はまったく気づいていないようすだった。
「いつのまにかレス状態でしたしね。彼は私を女として見ていない。それでも一緒にいるしかないことを恨むような気持ちになった時期もあります」
上司と部下…浮気から始まった関係
セックスレス、それでも一緒にいるしかない
「退院が決まったとき連絡したら『わかった。行けないけどひとりで帰ってきて』と。あ、私が帰ってもいいんだと思いました」
その後はアルバイトをしながら同居生活を続けてきた。彼女が浮気したこともあるが、彼はまったく気づいていないようすだった。
「いつのまにかレス状態でしたしね。彼は私を女として見ていない。それでも一緒にいるしかないことを恨むような気持ちになった時期もあります」
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