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子どもがいないと、ダメですか…?既婚・子なしアラサー妻の心の叫び

 女性の生きづらさに注目が集まる昨今、連日メディアでとりあげられる「結婚できないキャリア女性」「マタハラに苦しむ妊婦」「子育てと仕事の両立に悩むママ」etc……。  そんな女性たちの狭間で、微妙に宙ぶらりんな立ち位置なのが「既婚・子なしアラサー主婦」ではないでしょうか。話を聞いてみたところ、実は彼女たちもさまざまな孤独感や焦燥感を抱えて生きていました。 子どもがいないと、ダメですか…?

子連れ限定!? 居心地最悪の同窓会

 結婚5年目のレイさんは32歳。弁護士としてバリバリ働きながら、同業の夫と二人で暮らす子なし主婦です。そんなレイさんが最近衝撃を受けたのは、母校である小・中・高一貫女子校の同窓会でのこと。 「5年ぶりに参加した同窓会だったんですが、40名ほどの参加者のうち、なんと9割以上が子連れママだったんです。イベント内容も、ピアノに合わせて親子で童謡を歌ったりゲームをしたりと、完全に子ども向け! 写メを片手にわが子を撮りまくるママの中で、子なしの私はとても居心地が悪かったんです」  昔はくだらない話題で盛り上がれた友人たちも、今や子育ての話題に夢中。さらにはこんな異様なシーンを目にしてしまったそうです。 「同級生Aが、輪の中心でお受験のコツをレクチャーしていたんです。Aは娘を母校の小学校受験に成功させていて、お受験を狙うママたちの羨望の的。お受験に勝つための恩師への根回しのコツなど、得意げに語るAと必死で聞くママたちの姿に、正直引きました。別に同窓会でやらなくてもいいのに……。私はみんなと思い出話がしたかっただけなんですけど、今は難しいのかも知れませんね」  そう寂しそうに話すレイさんですが、今のところ子どもをつくる予定はないそう。今後、同窓会に参加する気もないといいます。

妊娠した友人の「鈍感力」に満ちたアドバイス

 マナミさんは結婚3年目の30歳。自然妊娠ができないと判明して以来、精力的に不妊治療に取り組んでいます。念願叶ってようやく着床しましたが、残念ながら年末に流産してしまったそう。 「もう二年は不妊治療をしていますが、なかなか成功しなくて……。薬の副作用もあるし注射も痛いし、肉体的にかなり厳しいです。さらに切実なのは経済面で、実は不妊治療にすでに150万円以上かけているんです」  そんな折、幼なじみ3人が次々に妊娠したのです。衝撃を受けたマナミさんでしたが、自分が不妊治療中だとは、なんとなく打ち明けることができなかったといいます。 「連続の妊娠報告に、正直傷つき戸惑いましたね。出産予定日も数ヶ月しか変わらないので、子どもたちは同学年になるんです。わたしだけ乗り遅れた感は否めないですよ」  妊娠した彼女たちからは、「歳をとってから後悔する前に、早く子どもをつくったほうがいい」「子どもを産むとメンタルも安定するらしいから、繊細なあなたは絶対つくったほうがいい」など、上から目線とも感じさせるアドバイスが飛んでくるようになりました。 「母は強しって言いますけど、ある意味鈍感になっちゃったな、っていうか……。悪気がないのはわかりますけど、別に妊娠や出産って人に勧めるものでもないでしょ? もし子どもができたとしても、私は人に勧める気はないです」  最終的には不妊治療中であることを打ち明けたマナミさんですが、彼女たちとは微妙に溝ができてしまったそうです。  既婚の友人は次々子どもを産み、未婚の友人とも自然に距離が開いていく……。既婚・子なしアラサー主婦の心には、常にスースーと隙間風が吹いているようです。 <TEXT/柴田サナ>
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