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セックスレス夫婦は別れるしかない?離婚カウンセラーに聞く

 夫婦間の問題で、深刻度を増すいっぽうの「セックスレス」。ネットや雑誌で、ママ友からの口コミで……あらゆる情報を収集して、いろいろ頑張ってはみたものの、どれも効果は今ひとつ……。 離婚 そんな悩めるあなたに、カリスマ夫婦問題研究家であり、「離婚カウンセリング」の大家としても名高い岡野あつこ先生がラスト・アドバイス!

産後セックスレスの典型的な悩みとは

===ある既婚者女性の悩み======  結婚前、交際しているときは、会えば必ずといっていいほどセックスをしていた私たち。結婚後もペースこそ落ち着いたものの、よその夫婦よりはしていたのではないでしょうか。そんなときに子どもが生まれ、私はセックスどころではなく、母親としてすっかり“はじめての子育て”に夢中になっていました。  ところが、夫のほうは出産前と同じように、私にセックスを要求してきて……。出産後すぐは「体調が落ち着くまで待って」と拒んでいたのですが、「いつまで待てばいいの?」と急かされる始末。解禁した後も、「子どもが起きるから」「疲れているから」とやんわり断れば、「大丈夫だよ」とまるで気にしません。  はっきり言って、そのときの私は子どものほうが大切で、する気にまったくなれませんでした。それどころか、夫に触れられたり、熱い息がかかったりするだけで「気持ち悪い!」「汚い!」と思いはじめるようにさえなってきたのです。  そうやって、なんだかんだと理由をつけて夫からの要求を拒み続けているうちに、2年がたってしまいました。気づけば、私たち夫婦は寝室も別。セックスレスが当たり前になっていたのです。  先日は、私のほうから「そろそろ次の子どもをつくろうか?」とセックスの誘いをしたところ、「もういいよ、今さらそういうのは…」と目をそらされてしまい、ショックでした。この先もずっとセックスレスのまま、夫婦でいなければならないのでしょうか? (結婚3年/子ども1人[2歳]30歳) =========================

離婚の可能性は60%!

[回答] ──このようなセックスレスに関する夫婦の悩みは、わりと“定番”という気がしますが、深刻度はどの程度だと岡野先生はお考えでしょう?

岡野あつこ先生

岡野あつこ先生(以下、岡野):私は離婚の可能性が60%、修復の可能性が40%クラスの深刻度だと見ています。 ──60%! そこまで深刻なんですか!? 岡野:セックスレスは、あまり長い期間続くと夫婦生活にも確実な支障が出てきますので、極力早い段階で解消する努力が必要です。 ──夫婦が一番セックスレスに陥りやすい時期は? 岡野:やはり今回の相談者同様、出産してから“危険ゾーン”に突入するケースが大半です。あるデータによれば、「1ヶ月以上セックスレスの夫婦は40%」で、そのなかでももっとも多かったのが「出産後(20%)」であることがわかっています。(『産後クライシス』岡野あつこ著/角川フォレスタよりデータ抜粋) ──「出産後」が危ないのはなぜ? 岡野:たぶん、出産という大事業を成し得たため、そのことを労いもせず、ただ性の快楽や処理を要求する夫に幻滅してしまっているのでしょう。出産を経験すると、女性は一時的にでもセックスという行為が「子の誕生のための神聖な過程」であるという意識が膨らみます。そんなときには、なかなか夫と元通りには楽しめないでしょうし、「またすぐに子どもができてしまったらどうしよう」といった不安も生じてくると思います。 ──すごく納得できます!

「夫が一番、子供が二番」と自分に言い聞かせてみる

岡野:ただ、結婚生活はジェンダー違いの相手があることなので、男性側の気持ちも理解するよう努めることも大切。  夫は普段は仕事をしているため、小さな子どもを育てる苦労が実感できない場合が多く、今まで自分に向けられていた妻からの愛情が子どもに向けられることへの不安もあります。さらに、妊娠してからずっと禁欲していただけに、出産後に一気に強引になることだってあるわけです。 ──その男性の気持ちも、頭で納得できなくはないのですが……。では、具体的にはどういうマインドをもって、一度離れてしまった夫に接すれば良いのか、アドバイスをお願いします。

岡野先生の著書『「最高の離婚」のつくりかた』(自由国民社)。30事例にわたる「スタンダードな離婚のケース」に対し、離婚弁護士軍団と岡野あつこ先生が多角的かつ真摯なアドバイスを贈る

岡野:夫への愛情表現をいろいろな方法に分けて、たとえば「言葉で愛を伝える」「ときには子どもの世話よりも夫の世話を優先する」「そのために二人の時間をたまにはつくって、恋愛中や新婚時の気分を思い出してもらう」……など、「セックスがすべてではない」という雰囲気にもっていくのがポイントです。  常に子どもが中心で、愛が自分に注がれていないことが、夫がセックスを拒む大きな要因なので、「夫が一番、子どもが二番」と、自分に言い聞かせてみてはいかがでしょう? ──それでもダメだったら……? 岡野:「離婚」ってことにならざるを得ませんね。法律的にセックスレスは、れっきとした「離婚事由」の一つに該当するんです。  一般的にセックスがある年齢の夫婦であれば、相手が拒絶し続けて一定期間継続し、夫婦関係が破たんしていると認められれば、裁判での離婚も可能です。  しかし、今回の場合は、相談者からのセックスの誘いに対して、夫が数回断っただけという段階なので、「直ちに夫婦関係が破たんしている」とは(裁判所から)判断されず、結果的に離婚できない可能性が高いと思われます。  しかも、まだ小さなお子さんがいるのですから、離婚後に母親が子どもの親権者となるにしても、子どもを養育する経済的基盤の問題や、子どもが父親を失うデメリットなどを考えると、この時点ですぐに離婚を決断するのは、まだまだ時期尚早。  すぐ「離婚」を考える前に、まず専門家である夫婦問題カウンセラーにメンタルの相談をしてみることをオススメします。 <TEXT/山田ゴメス> 【岡野あつこ(おかの・あつこ)】 夫婦問題研究家/離婚カウンセラー。NPO法人「日本家族問題相談連盟」理事長。1991年に離婚相談事業をおこなう「株式会社カラットクラブ」を設立し、3万件以上の夫婦相談事例を持つ。著書、TV・ラジオのレギュラー多数。最新刊は『「最高の離婚」のつくりかた』(自由国民社) 岡野あつこ公式サイト:http://www.azco.co.jp/ 実践 離婚カウンセラー養成講座:http://rikon.ne.jp/ 離婚相談救急隊:http://www.rikon.biz/
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