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ザセツしない貯金目標って手取りの何%?ファイナンシャルプランナーに聞く

 こんにちは。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢です。  お金に関する悩みでよく出てくるテーマに「貯金目標額の決め方がわからない」というものがあります。今回は自分にぴったりの貯金額をどうやって決めるのか考えてみます。 貯金

手取収入の10~25%を目標に

 貯蓄額の目安として手取収入の10~25%程度という目安があります。  総務省の家計調査によると2014年の全勤労世帯の黒字率は26.5%でした。税金や社会保障などを差し引いた「可処分所得」から、消費に使われた金額を差し引いた「黒字」を「可処分所得」で除した割合を示しています。手取りの26.5%程度は消費に回されず、理論上は残っていることになります。  貯めることが上手な人の家計内訳をみると30%を超える貯蓄率を誇ることもあります。でも、最低限の生活費は必要ですし、収入の状況によって一概に言えないところも。  そのため、手取収入の10~25%と幅を持たせた目標値を目安にするのも1つの方法です。

使っている実績から決める

 自分の手取収入の10~25%を計算してみて、とても貯められそうにないと感じる人もいるかもしれません。特に貯蓄にこれまであまり興味がなかった人にとっては大きく感じる数字になることもあります。  そんな時にお薦めなのは、まずは実際に使っているお金を差し引いて「できそうな貯金額」を確認してみる方法です。  例えば手取20万円の人がいるとして、家賃7万円、光熱費1万円、通信費1万円、保険料0.5万円…など通帳を見ながら直近6ヶ月くらいで使っている平均的な支出の合計を整理してみます。  引き落としやクレジットカードなどの利用明細が残らない現金での消費については概算を計算してみます。  例えば毎日ランチに700円かけていて20日出勤しているならばランチ代が約1.4万円、月に2回くらいは飲みに行って1回5000円くらい使っているとしたら飲み代が約1万円、洋服は3か月に1度5万円くらい使うということであれば月に直すと約1.4万円…といった形になります。

続けられる、問題点をみつけられる

 これらの支出を整理して、現実的に貯められそうな金額を確認し、その金額だけ貯金用口座に毎月給料日に先によけるという方法です。  始めはその額が5,000円などでも構いません。5,000円を確実に確保できるようになったら次は7,000円、1万円など少しずつステップアップしていけばよいのです。  この方法のメリットは現実的な金額から始められることで貯蓄することを続けやすい点といえます。  高すぎる貯蓄額を設定すると無理が生じた時に貯金用口座からお金を取り崩すことになり、貯金用口座に手を付けることに対する罪悪感を薄くしてしまう恐れがあります。こうしたリスクを回避することができます。  もう1つのメリットは、いくら使っているかを頭の中で概算することで「この支出は自分にとって大切ではないかも」ということに気づけるという点です。洗い出している最中に対象となる支出を見つけたら、改善はしやすくなります。  理想的な指標を目指すのも素晴らしいことですが、まず自分にできそうなことから始めてみるのも効果が高い方法です。冬休みに入ったら来年の貯金目標を決めてみるのも良いかもしれませんね。 <TEXT/風呂内亜矢> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 ■出演情報 スズキ presents ニコニコ生活講座 12/16水21:00~: http://live.nicovideo.jp/watch/lv239078283 風呂内 亜矢【風呂内 亜矢(ふろうち・あや)】 ファイナンシャルプランナー。CFP認定者、宅地建物取引主任者。1978年生まれ。岡山出身。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。著書に『貯金80万円、独身の私にもできた!自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』(日本実業出版社)がある。 公式サイト:http://www.furouchi.com/ 公式ツイッター:@furouchiaya
風呂内亜矢
(ふろうち・あや)ファイナンシャルプランナー。CFP認定者、宅地建物取引士。26歳でマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強を始める。現在はテレビ、ラジオ、雑誌等でお金に関する情報を発信している。近著は『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(監修)、『超ど素人がはじめる資産運用
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