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夫・40歳からの不妊治療 妻が泣きながら謝って…【男の妊活】

「男性の10人に1人は精子に問題を抱えている」「8組に1組のカップルが不妊」など不妊にまつわる情報が錯綜するなか、妊活(妊娠活動)に真っ向から取り組む男たちはいったい何に悩んでいるのか? “晩産化”時代の妊活最前線を追いかけた。  現在妊活中の彼らは何に悩み、何を思っているのか? 日夜、子づくりに全精力を注ぐ男たちの“本音”に迫った――。

妻から切実な相談を受け 40歳から始めた二人の妊活物語

<斉藤 勇さん(仮名)・40歳・メーカー> (妊活歴1年・原因 不明・これまでの費用 30万円)  結婚9年目を迎える斉藤さんの妻は不動産会社のOLで共働き。性生活はコンスタントに営んではいたが、互いに仕事が忙しく、妊娠する気配もないまま二人だけの生活が続いた。しかし昨年の秋頃、二人で夕食を食べていると、突然妻がこう切り出してきたという。 「妻が『そろそろ不妊治療しよう』とおっかなびっくり言ってきて……。雰囲気から、彼女の切実さが伝わってきました。僕も妻も40歳。これまで見て見ぬフリしてきたけど、残された時間は何年もないわけで、『一緒に頑張ろう』としっかり意思表示をしました」 不妊治療第一歩はレディースクリニックでの精液検査。射精は「3日以上7日未満」の間隔が必要なため、インターバルを空けて臨んだ結果は「正常」というものだった。 「幸い、妻にも原因は見当たりませんでした。なので、“タイミング法”といって、排卵日付近にセックスをするオーソドックスな方法から始めました」  タイミング法にトライする一方、医師の勧めもあり、人工授精にも先月初めて挑戦。採取した精液を子宮に注入する、妊娠率10%前後といわれる方法だ。 「結果は、残念ながらダメでした。奥さんは『私のせいでごめんなさい』と泣きながら謝ってきて……。彼女に原因があるわけではないのに、自分を責めるようになってたんです。もう、『いっそのことオレに原因があれば』と思いましたね。  妊活のプレッシャーは想像以上に重く、強い。親友の子供ですら素直にかわいいと思えなくなってしまったり、テレビで『はじめてのおつかい』を観ていると複雑な気持ちになったり……」  妊活の厳しい現実に直面した二人。だが、二人三脚で始めた妊活は二人の絆をより強くしている。 「妊活の結果、子供ができないこともある程度は覚悟しています。もちろん、子供が欲しいのを大前提にやってるけど、『もしできなかったとき』に後悔しないために妊活ってやるべきことだなって思う。 『スタートは遅かったけど、あのとき、あれだけ頑張ったんだから仕方ない』って、死ぬとき後悔しないためにですね。男なんて精子を提供するだけなんだから、男の妊活は奥さんの心と体のケアに全力を注ぐってことだと思います」 <PHOTO/Ljupco Smokovski> ― [男の妊活]シリアス白書【2】 ―
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