アルコールにこだわるなら…酒造メーカーから続々登場
ここまで「せっけん・洗剤でOK」と書いてきましたが、何が何でもアルコールで消毒したい!という人もいそうですね。
いま、全国の酒蔵が、手指の消毒に使えるアルコール度数60~70%台のお酒を、続々と発売しています。

アルコール度数60~70%台ののお酒が続々発売に
厚生労働省が4月10日、アルコール消毒液が医療現場で不足していることを受けて、特例措置としてアルコール度数の高い酒の代用を認めたからです。例をあげると、若鶴酒造「砺波野スピリット 77」、「南部美人 アルコール65」、明利酒類「メイリの65%」、菊水酒造「アルコール77」、木内酒造「NEW POT 70」などなど。
数字は、いずれもアルコール度数です。
案の定、
客が押し寄せているそうで、直営店に朝から行列したり、仕事にならないほど電話が殺到したり……。メーカーのサイトには、悲鳴のような「お客様へのお願い」を書いているところもあります。人々は、どれだけ「コロナ感染防止=アルコール」と刷り込まれているのか。
「それだったら、海外の高アルコール酒がネットで買えるのにね。75度のラム『ロンリコ 151』とか、 60~70度のアブサンは、Amazonでも売ってるよ」(40代・酒好きサラリーマン)という声も。ちなみに、90度以上のウオッカ「スピリタス」は揮発性が高すぎてダメ。消毒には60~70度台がよいと専門機関が言っています。
とはいえ、厚生労働省は酒造メーカーの代用アルコールについて、「家庭では、手を洗えない寝たきりの人など、
やむを得ない場合に限る」として、今までどおり
せっけんでの手洗いを推奨しています。
行列してまでアルコール消毒にこだわらなくても、せっけんと家庭用洗剤で十分なんですね。もし酒蔵を支援したければ、普通のお酒を買って美味しく飲めばいいんじゃないですかね?
<文/女子SPA!編集部>
※1
国立感染症研究所 感染症情報センター「SARSに関する消毒(三訂版)」
※2
医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について(北里大学プレスリリース)
※3 新型コロナで試験をしたわけではないが、同じように脂の膜がある豚コロナウイルス(豚流行性下痢ウイルス)で有効だったという結果。