恵さんは、回数が少なくなったのを気にして、むしろ密かに膣トレをしていたそう。
「単純にショックだったんです。私は夫の体のことを責めていないのに、一方的に私の体のせいにされてしまうと……」
ひどい言葉を投げかけた翌日、夫は恵さんに謝ってきました。だけど、その後出てきたのは驚きの一言。「『
男は同じセクシービデオを何度も見ないんだ』って。つまり、私の体には飽きたということでしょうか」
恵さんが丁寧さを求めたのがきっかけだと考えていましたが、思い返すとそれより前からおかしな出来事が転がっていました。
「行為前に必ず電気を消すようになったり、旅行先でもすぐ寝ていたり。当時はそんなに気にしていなかったのですが、
思っていたより前から、夫は私に飽きていたのかもしれません」
その後、寝室をともにするのが辛くなったという恵さん。もう求めないと決意したそうですが、一緒に寝ていると、愛する人から求められない事実を突きつけられているような気分になったと言います。
「新型コロナウィルスの流行で、夫婦ともに仕事へ影響が出ました。休みが増えたり、在宅勤務の日ができたり。ただでさえギクシャクしていたところに、追い打ちが来た感じですかね。
夫婦喧嘩が絶えなくなりました」
喧嘩が増えたことによって、寝室を別にするという話が出ました。
「物理的に距離を置こうという方向でしたが、結果的に
寝室が別になったんです。毎晩惨(みじ)めな事実を突きつけられないで済むのは、心の平穏にもつながりました。私自身、余裕がなくなっていたのかもしれません」
喧嘩がなくなったわけではないけれど、と苦笑いを浮かべながら恵さんは続けます。
「だけどこれって、その場しのぎの解決策ですよね。根本的には何も解決してない。これから一生セックスレスなんて考えたくもないですけど……今の私には、どうして良いのかわかりません」
相模ゴム工業(株)の
調査*によると、パートナーを持つ女性の約半数が、セックスレスを実感しているそうです。恵さん自身、セックスレスで悩むとは想像していませんでした。辛い日々は、決して他人事ではないのかもしれません。
※2018年に全国の20~60代男女14,100名を対象に行ったインターネット調査。
<文/西田彩花>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】西田彩花
美容ライター。美容薬学検定1級、コスメコンシェルジュ(日本化粧品検定1級)、メイクアップアドバイザー検定資格保有。マスコミ系企業に在職中美容資格をいくつか取得し、美容ライターとして独立。
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