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ネットの誹謗中傷を告発した芸能人の4事例。匿名の“犯人”はどうなった?

春名風花:悪質な書き込みの主を特定し刑事告訴、戦いは続く

「はるかぜちゃん」の愛称で知られる女優の春名風花(19歳)は、ツイッターを始めた9歳の頃から10年もの間、ネット上で誹謗中傷を浴び続けてきました。
 2011年、東京都の青少年育成条例に対して「ぼくたちはいいまんがも、悪いまんがも、ちゃんと自分でえらべます(ω)」とツイッターに投稿すると、子供とは思えない鋭い発言が話題になりフォロワー数が急増。同時に、悪質なコメントが増えていきました。「殺す殺す殺す殺す殺す」「ナイフで滅多刺しにしてドラム缶にセメント詰めて殺したい」といった殺害予告とも取れる書き込みまでされ、警察が捜査する事態に。しかしこのときは、相手の特定にまでは至りませんでした。  さらにはネット上で、実家の住所まで公表されてしまいます。本人は『女性セブン』(2020年3月29日)のインタビューにて当時を振り返り「お風呂場の窓から、知らない人が手を入れてきたり、近所で、“きみの学校に春名風花さんっている?”などと聞き込みをする人も現れ、危険が迫っているのを感じました。あまりの恐怖に、家から一歩も出られない日々が続きました」と語っています。  そして2016年12月には、舞台出演の前日、劇場や所属事務所への爆破予告。春名は警察署の生活安全課に何度も相談に行き、被害届も出したものの「ツイッターって何?」と言われ、まともに取り合ってもらえなかったそう。弁護士に依頼しようにも高校生の身ですぐには費用を捻出できず、我慢しながらアルバイトでお金を貯める間にも誹謗中傷はどんどん悪質化。ついに「彼女の両親自体が失敗作」などと、身内を侮辱する投稿まで相次ぐように。
 これを受けて誹謗中傷犯を特定することを心に決め、2018年10月にプロバイダーに発信者の情報を求めた訴訟を起こし、1年後、東京地裁がプロバイダーに氏名や住所などの開示を命じました。  その後、誹謗中傷の投稿をした人物を相手に民事訴訟に踏み切ったものの、相手が反省の色を示さなかったため、刑事告訴もすることに。神奈川県警へ代理人の弁護士を通じて告訴状を提出しました。しかし、県警から「うちはそういうのやってないから」との電話がかかってきて、受け取りを拒否されてしまいます。この件をSNSに投稿し、世間に事実を訴えたことで9日後には告訴状が受理され、ようやく刑事事件として捜査が開始されることに。  果てしない時間とお金をかけて誹謗中傷と戦ってきた春名風花。被害者ばかりが損をしている状況の中、それでも誹謗中傷してくる他の人への抑止力になると、負けない姿勢を貫いています。
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暴力や違法薬物使用のデマを広められた大物俳優
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