画面越しに見たマイちゃんは最後に会ったときよりもやせ細り、呼吸をするのも辛そうな状態。その姿を目の当たりにしたモネさんは再び、マイちゃんに呼びかけました。
「マイちゃん、マイちゃん、マイベイビー」
そんな呼びかけに対し、かすかに反応したマイちゃんはその後、静かに息を引き取りました。
「息を引き取る頃には泣くことしかできず、名前を呼ぶこともできませんでした。もうマイちゃんに会えない、実家に帰っても駆け寄ってきてくれる存在がいない……。そんな現実を受け止めたくなくて、しばらく電話を切れませんでした」
長年、自分を支えてきてくれた大切な存在の最後をビデオ電話という方法で見届けざるを得なかったモネさんには、歯がゆい思いもたくさんあったかもしれません。
けれど、23年間心配し、見守り続けてきた“妹”の声を最期に聞けたマイちゃんは安堵しながら、幸せな死を迎えられたはず。2人が築き上げてきた姉妹の絆はたとえ命が終わりを迎えても、お互いの心の中で永遠に生き続けていくことでしょう。
もっとたくさん遊びたかった。そんな後悔もあるけれど、マイちゃんと過ごした23年間はモネさんにとって、かけがえのない宝物。
「マイちゃんが私のお姉ちゃんみたいな存在で、本当に幸せだった。大学に入ってからも写真を見て癒されてたよ。いつもかわいい声でおしゃべりしてくれてありがとう。最後に一緒に居られなくてごめんね。23年間、本当にありがとう。大好きだよ」
有効期限のない、大好き。そこに込められた想いは天国のマイちゃんにきっと、届いているはず。
「これからは、ここから見守るね」―空を見上げると、そんなマイちゃんの声が聞こえてきそうな気がします。
<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291