はじめはすぐに返信するように心がけていたエリさんも、次第に余裕を見つけてあとでの返信をするようになっていきました。
するとあるとき、夫から「もう少しLINEの返信早くしてあげて」と言われ、よくよく話を聞くと「母さんが気にしてるから」とのこと。なんでも、「エリちゃんに嫌われたのかな」「エリちゃんからまたスルーされてる」など、夫に泣きついていることが発覚したのです。
「そんなにマメに対応できるわけないじゃないですか、仲良い友達じゃあるまいし……。って言うと、夫も『仕方ないね』って理解してくれはするんですけど、また義母から何か言われると、『もう少しLINE返してあげてよ』って言ってきますね」

夫も板挟みで大変ですよね、とエリさんは笑って続けます。
「なので今はもう、スタンプで返すようにしてます。テキストで返すと、やりとりが続いちゃうのもあるし。スタンプならすぐ返せるので。
ただ、本当に必要な連絡の場合は、ちゃんと丁寧にテキストで返します。でも雑談LINEがきたらすぐ、基本スタンプだけ返す。そこは、メリハリを意識して」
そうすることによって、義母はというと、テキストでの返信を期待してなのか疑問文ばかりを送ってくるようになったのだそう。
それでもエリさんは、かわいいスタンプを多用し、なんとかごまかして対応しています。義母がこれ以上距離を詰めてくることのないよう、牽制(けんせい)の意味を込めてーー。
こうしてエリさんは今日も、義母との適切な心理的距離を死守しています。
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義理実家とのバトル―
<文/船田ゆかり イラスト/とあるアラ子>