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春ドラマ名作ベスト3。千葉雄大『いいね!光源氏くん』を超えた作品は?

第1位 『70才、初めて産みますセブンティウイザン。』まったくの絵空事ではない

『70才、初めて産みますセブンティウイザン。』NHK公式サイトより

『70才、初めて産みますセブンティウイザン。』NHK公式サイトより

 そして第1位に選ばせてもらったのは、『70才、初めて産みますセブンティウイザン。』(NHK BSプレミアム)。  タイム涼介の漫画が原作のこのドラマ、定年退職した65歳の元サラリーマン・江月朝一(小日向文世)はある日、70歳になる妻・夕子(竹下景子)から妊娠を告げられ驚きますが、少しずつ事実を受け入れ親になる決意を固めていきます。そして第4話で夕子は無事出産。以降タイトルを『70才、初めて産みましたセブンティウイザン。』に変更し、二人が子育てに奮闘する姿が描かれていきます。  第7話では朝一にガンが発覚。そして最終回、いきなり走り出した娘・みらいに追いつけず転倒し骨折した夕子は、高齢者である自分がこのまま育児を続けていいのか真剣に悩みます。しかし「親でいることを諦めないで」という朝一の言葉に、もう一度、娘と一緒に生きていくことを決意するのです。
原作の漫画『セブンティウイザン 1 』タイム涼介(BUNCH COMICS) 新潮社

原作の漫画『セブンティウイザン 1 』タイム涼介(BUNCH COMICS) 新潮社

 私たちの父や母の世代と比べて初婚・出産年齢が高くなっている今、このドラマで描かれていることはまったくの絵空事ではありません。  苦労することが分かっていながら産むことはただのエゴではないのか、老いていく自分たちの健康問題や介護はどうするのかなど、朝一と夕子を取り巻く目、待ち受ける未来は厳しいでしょう。けれども、生まれてきたかけがえのない命を大切にする気持ちに年齢は関係ありません。たとえ若くなくても、二人は立派に親であり、彼らは家族なのです。  今クールは新型コロナウイルスの影響により、多くのドラマが撮影休止や放送延期に陥ってしまうという波乱のクールとなりました。7月クールもイレギュラーな編成や撮影を余儀なくされ、出演者・スタッフのみなさんも大変だと思いますが、いち視聴者として全力で楽しみたいと思います。 <文/中村裕一> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
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