「『お疲れ様でした』みたいな電話かと思ったんですけど、責めるような口調で『
夫の母親が死んだのに一週間程度で自宅に帰るなんて非常識が過ぎない?』と言われたんです。そんなことを言われても私も夫も東京に仕事がありますし。何なら私の場合は忌引き休暇がそこまで認められずに有給休暇も使ったのですが……」

これを皮切りに、S美さんからの姑よりも頻繁な小言の電話が入るように。「
子どもがいないなら暇だろうからもっと義実家の仕事を手伝え」「甥姪へのお年玉や進級祝いの額が少ない」「いつもお歳暮やお中元のセンスが悪い」などなど。
このことについて坂田さんはM子さんに相談をしたそうですが、どうやらS美さんがキツく当たり始めたのは坂田さんだけに留まらない模様。M子さんもS美さんの豹変にすっかり参っていたそうです。
「しょっちゅう家に押しかけてきては居座って『
目上の人に対しての礼儀がなってない』『
育ちが悪い』などと言われ続けているそうです。私は夫と相談をして、暫く帰省をするのは控えることにしました。仕事の手伝いも断り、お墓参りに行っても義実家には立ち寄らないことになりました。電話も着信拒否をして、何かあれば夫を通してもらうようにしています」

なぜS美さんがこんなに攻撃的になってしまったのか。坂田さんが思い当たるのは「
遺産のことではないか」とのこと。同居して介護もしてくれた義兄夫婦には、割合が多く渡ったはずなのですが、それでもS美さんは納得しなかったのではと推測していました。
「正直、遺産のことは夫の兄弟間で決めたことですし私に当たられても困るんですよね……。でも、あんなに仲が良かった嫁3人の結束が、共通の敵がいなくなっただけでこんなに脆く崩れ去るとは思いませんでした。誰よりも苦労していたS美さんの気持ちも何となくわかる分、ちょっと残念ですね」