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松嶋菜々子「やまとなでしこ」の強烈キャラが愛されるワケ。“強い女”を演じた5作

 連続ドラマの撮影延期が相次ぎ、過去ドラマの再放送が充実している今期。松嶋菜々子(46)主演の伝説的人気ドラマ「やまとなでしこ」もついに登場し、7月6日・13日の2週連続(フジテレビ系、月曜夜9時~)で「20周年特別編」として放送中です。  主人公は「合コンの女王」と呼ばれる超美人CA・神野桜子。愛より何よりお金を信じ、ハイスペ男性との結婚に全てを懸ける強(したた)かなヒロインです。そんな強烈なキャラを、2000年当時28歳だった松嶋は爽やかに可愛らしく演じました。 「上品なうりざね顔の松嶋菜々子はどの女優よりも『姫』っぽいと思います。でも彼女の場合は、王子様に護られる旧来の姫ではありません」と語るのは、ドラマや映画などに関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆し、『みんなの朝ドラ』をはじめ著書多数の木俣冬さん。  今回は木俣さんへ女優・松嶋の魅力について伺いながら、彼女がこれまで演じてきた色んなタイプの“強い女性”について振り返っていきましょう。

松嶋菜々子は、ジェンダーフリーの時代にふさわしい「姫」

木俣さん(以下、木俣)「松嶋さんの姫っぽさには、凛として何者にも動じない強さがあります。反町隆史、福山雅治、堤真一、阿部寛などスター性の高い俳優を支えるアシスタント的には絶対ならず、彼らと対等に立てる、ジェンダーフリーの時代にふさわしい姫だと思います。 『やまとなでしこ』の桜子はまさにそうで、客室乗務員としても自立していながら、さらなる幸福を求めて狩りをしていくような勇猛さも決して下品にならない。憧れを満たしてくれる、まさにザッツ女優ですね」  木俣さんが特に印象に残っていると語った松嶋の出演作は、次の2作品。

映画「祈りの幕が下りる時」

 東野圭吾原作、阿部寛演じる刑事・加賀恭一郎が主人公の「新参者」シリーズの完結編として、2018年に上映。謎に包まれた殺人事件の真犯人を探すというミステリーで、松嶋は加賀と対峙する気鋭の舞台演出家・浅居博美を熱演しました。
祈りの幕が下りる時

「祈りの幕が下りる時 DVD 通常版」ポニーキャニオン

木俣「ヒロインでありミステリーの鍵を握る役。女優にして演出家という、知性と美貌と謎を一手に引き受けることのできる松嶋さんの懐の深さが全面的に出た役です。パワフルな阿部寛と対峙して一歩も引かないところが凄い」

「家政婦のミタ」

 2011年の大ヒットドラマ「家政婦のミタ」(日本テレビ系)で松嶋が演じたのは、“感情を持たない”ミステリアスな家政婦・三田灯(みたあかり)。無表情で家事を完璧にこなしながら、犯罪スレスレの命令にも「承知しました」と答えて平然と遂行。想像を絶する行動で、崩壊寸前の家庭・阿須田家を再生していきます。
家政婦のミタ

「家政婦のミタ」バップ

木俣「視聴率40%越えのおばけ番組の主役を堂々と演じきった松嶋さん。美貌を抑制し、黒を基調にした地味な服装ながら地味に見えず、底知れないコワさ、只者じゃない感にあふれていました」
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90年代の大ヒットドラマ2作品も
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