光一さんのように、すれ違いの大きさがコロナによって増幅するのは1つの離婚パターンです。同じように、聡子さん(仮名・30代後半)も、「合わない」という感覚がジワジワ大きくなり、このコロナによって離婚をしました。
「夫とはマッチングアプリで出会い結婚しました。子どもを持ったら良いパパになるかなと感じたのが結婚理由です。でも妊活がうまくいかなくて、それをきっかけにギクシャクするようになりました」(聡子さん)
ギクシャクの大きな原因は、金銭感覚の違い。度をこした“ケチ”な夫に、聡子さんはだんだんと疲れていったそうです。
「妊活がうまくいかなくなって来ると、彼のどケチ度が増すようなりました。例えば、
冷蔵庫に豆腐が1つ残っている状態で新しい豆腐を買い足しただけで怒るんです。とにかく物はなくなってから買わないと怒る。さらに、私が自分の収入で買った化粧品も、レシートをチェックしてはムダが多いと怒るようになっていきました」(聡子さん)
こうしてだんだんと「この人と子どもを持てたとしても、さらに辛くなるだけでは」と感じるように。そして新型コロナが蔓延し、フリーランスだった夫は休業状態になりました。彼女はリモートとなり、ガマンの糸が切れてしまいます。
「私がサランラップを無くなる前に買ったときのことです。彼が『どうして無くなる前に買ったの?』って、いつものパターンで怒って、
ラップの箱で私の肩を叩いたんです。凄く痛かったわけじゃありませんが、
『たった200円で、どうして叩かれなきゃいけないの?』って悲しくなり、離婚しようと思いました」(聡子さん)
新型コロナだけでなく、妊活が上手くいかない精神的な不安も重なり、聡子さんはほどなくして離婚を成立させました。