三密対策のため、通常の紅白よりは少なめの人員で、バンドメンバー同士も距離を取った形態にもかかわらず、楽器の音色の生っぽさをダイレクトに伝える力強さに変わっていた。不利な状況が、かえって歌手やミュージシャンの底力を引き出していることに、驚かされたのです。
4月にレディ・ガガ(34)の呼びかけで行われた「One World: Together at Home」(WHO=世界保健機構とGlobal Citizen主催)のライブでも感じたことですが、実力のあるミュージシャンは環境や音質を問わないという、当たり前の事実。これがコロナ禍によってあぶり出されているのも、面白い現象です。
今回のMisiaとバンドにも、従来型の紅白にはなかった、音楽全体としての充実がありました。演出を工夫するぜいたくが奪われてしまったからこそ、原点に立ち戻れたのだとすれば、不幸中の幸いと言えるのかもしれません。