“自称・業界人”の会話を盗み聞き。「宇多田ヒカルに電話したらさぁ」|辛酸なめ子
自称・宇多田ヒカルと知り合いのおじさんと遭遇
同席の女性に「◯◯ちゃんはオレがプロデュースするよ。まあ、オレは売れる曲しか書けないけどな」とクソデカボイスで語る男性。しかも酔いが回ってくると鉄板に飲み物をこぼして「洗っただけだから」と開き直ったり、大きな音でげっぷしたり、自分の脇をかいて臭いをかいだりと、おじさんのやばい部分が凝縮したような言動でした。
これもフラストレーションがたまっているせいでしょうか。同席の2人はだんだん無表情になっていましたが、構わず業界トークを繰り広げる男性。「エイベックスの▲▲さんLINEに入ってるから、連絡するよ。オレにはそういう力があるから」
なかなか業界トークがおさまらないですが、なんとか帰る流れになって精算して出て行った3人。店内中、その男性の会話で支配されていたので、出て行ったあと他のテーブルのお客に「だいぶ空回りしてたね」「塚地に似てた」などと評されていました。
ガチ業界人の高度なマウントテクとは
ここまで、ホラッチョ系業界人男子の動向について書かせていただきましたが、ガチな業界人男子はどんな感じなのでしょう。ある有名な業界人についての話を聞いたのですが、その男性は例えば大物の有名人に対しても「□□っていう人がさ〜」という話し方をするそうです。例えば「福山雅治っていう人」というように。
自称業界人が有名人とのつながりを吹聴したがるのとは違うマウントの次元です。「っていう人」「とかいう人」と入れることで、有名人を下に見せるというテクニック。本物と自称、どちらが感じ悪いでしょう? 自称業界人のイキりの方が、かわいく思えてくるような……。
<文&イラスト/辛酸なめ子>
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