Entertainment

黒人ヒーロー俳優、43歳で死去。彼のために始まった署名活動とは?

 先週、4年間に渡る大腸がんの闘病生活の末、43歳の若さで他界したチャドウィック・ボーズマン。2016年に大腸がんと診断されてから4年間、ステージ4に進行してからもひそかに闘病を続けながら、素晴らしい演技で人々に勇気を与えてきた。そんなチャドウィックの突然で早すぎる死に悲しみが広がる中、ある署名活動が注目を集めているという。

『ブラックパンサー』でたくさんの人々に勇気を与えた

チャドウィック・ボーズマン

チャドウィック・ボーズマン

 1976年にアメリカ南部のサウスカロライナ州で生まれたチャドウィック。全米屈指の名門黒人大学であるハワード大学、英オックスフォードの夏季演劇コースなどで演技を学び卒業した。ちなみに、英オックスフォードで演技を学ぶための費用を払ってくれたのは、名優デンゼル・ワシントンだという。  帰国後ニューヨークやロサンゼルスで演劇活動を続けたのち、TVドラマや映画に出演するようになったチャドウィックは、2013年の映画『42 ~世界を変えた男~』で主演を務め注目を集めた。本作では、メジャーリーグ初の黒人選手として、人種差別に屈せず戦い続け、黒人の地位向上に貢献したジャッキー・ロビンソン役を演じている。  2014年には映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』で米ソウル音楽の第一人者、ジェイムズ・ブラウン、2017年には映画『マーシャル 法廷を変えた男』で黒人初の米連邦最高裁判事になったサーグッド・マーシャルを演じた。  2018年にはマーベル映画『ブラックパンサー』で主演し、世界的大ヒットに導いた。同作では、アフリカの秘境にありながら、最新テクノロジーをもつ超文明国ワカンダの若き国王、そして祖国と世界を守るブラックパンサーであるティ・チャラを演じた。監督をはじめキャストや制作スタッフも大半が黒人だったというこの作品は、マーベル作品として初めて米アカデミー賞の作品賞候補になり、北米で史上最高の興行成績を獲得したスーパーヒーロー映画になった。  劇中に登場するワカンダの敬礼「ワカンダよ、永遠に!」はブームになり、特に黒人アスリートの間では勝利の決めポーズとして使われるようになったとか。  高い評価、商業的な成功を得たと同時に、多くの人々に力を与えた『ブラックパンサー』。特に、自分と同じような外見のヒーローやヒロインを見た多くの子供たちに、勇気を与えたとされている。

「故郷にチャドウィックの像を!」署名活動始まる

 そんなチャドウィックを称え、故郷のサウスカロライナ州アンダーソンに彫像建設を求めた同運動が始まり、すでに多数の賛同者が署名しているという。 「彼の演技は、特に我が国が激動の時を迎えている時期に多くのアフリカ系アメリカ人を高揚させ、インスパイアしてくれました」 「『ブラックパンサー』公開時には、自身の故郷サウスカロライナ州アンダーソンの劇場を貸し切りにして無料で上映しました。経済的な壁なしで、若い世代がこの映画でインスパイアされるためにです。ボーズマン氏は、疑う余地なくアメリカの宝であり、彼への称賛は絶えることがありません」  この署名運動はまた、現在アンダーソンの中心広場に立っている南北戦争時代に奴隷制の維持を求めていた南軍リーダーの像を取り除き、その跡地にチャドウィックの像を建設することも求めている。

自ら闘病しながら、小児がん患者を激励するヒーロー

 映画を通し、人々に勇気や希望を与えてきたチャドウィックに、各界からたくさんの追悼メッセージが寄せられている。  ブラックパンサーとして、複数のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画に出演してきたチャドウィック。訃報に接し、アイアンマン役のロバート・ダウニー・Jrをはじめマーベルのキャスト陣らが、続々と追悼メッセージを寄せている。 『ブラックパンサー』の共演者であるマイケル・B・ジョーダンは、インスタグラムに長文の追悼メッセージを投稿。「君が世界に与えてくれたこと。君が見せてくれた伝説とヒーローは、永遠に生き続ける」と綴り、「これからの人生は君のような生き方をしていく。優雅に、勇気を持ち、後悔のない人生を」と哀悼した。  また『スパイダーマン』シリーズで三代目スパイダーマンを演じているトム・ホランドは、自ら闘病していたチャドウィックが病院を慰問し、小児がん患者たちを激励している写真を投稿。「君は撮影現場にいる自分だけでなく、世界中の何百万人にとってもロールモデルだった」と悼んだ。
 このほかにも数多くの俳優や監督などの映画関係者、さらに前オバマ大統領や米民主党の副大統領候補、カマラ・ハリス上院議員も哀悼の意を表している。  また、チャドウィックが亡くなった28日(現地時間)は奇しくも、映画『42 ~世界を変えた男~』で自ら演じたジャッキー・ロビンソンを称える『ジャッキー・ロビンソン・デー』だった。米野球界の黒人ヒーロー、ジャッキー・ロビンソンの栄光が称えられるその日に、チャドウィックはこの世を去った。  それもあってか、今回の訃報は球界関係者の間にも衝撃が広がり、「ジャッキー・ロビンソンを演じた素晴らしい俳優が、ジャッキー・ロビンソン・デーに亡くなった。言葉が出ない」と悲痛の声が多数あがっている。

訃報を伝える公式Twitterの投稿に過去最高数の「いいね」

 チャドウィックの訃報は、日本時間29日午前、公式Twitterで伝えられた。  この中では、2016年にステージ3の大腸がんと診断され、その後ステージ4に進行したことが明かされている。そして、4年間にわたり、ひそかに闘病しながら演じ続けてきたチャドウィックを「真の闘志」と表現している。  米Twitterによれば、この投稿は過去最高数の「いいね」を獲得したという。 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
Cxense Recommend widget


あなたにおすすめ