ちなみに3年前、私は自分の職業をきちんと明かさず、ただなんとなくデートをし、なんとなく疎遠になった経緯があります。でも今回はきちんと話を聞きたいという気持ちがあったので「ライターをしており、コロナ禍の婚活状況を調査しています」と名乗り、彼に話を聞かせてもらうことになりました。

IT企業に勤める一郎さん(45歳・仮名)は、婚活を始めて5年程。結婚願望はそんなになく、欲しいのは彼女という存在。年2~3人とマッチングアプリで出会い、デートをしつつも交際には至らず、ゆるゆると活動を続けているそうです。
「過去にいいなーという人はいて告白はしたけれど、うまくいかなかったり。食事に何回か行っても、その後進展することがなかったりという感じが続いています。婚活は1回マッチして会ったとしても、頑張ってこちらが誘わないと会い続けられないのがけっこう辛い部分だったりします」
一郎さんは婚活状況についてそう語ります。彼の恋愛対象は29~45歳くらい。つまり、そんな無茶な条件を出しているわけではありません。
「なんとなく気が合って、一緒に遊んだりご飯を食べに行けたりする人がいたらいいんですよね。もし女性側が結婚したいというなら全然するし、子どもが欲しいなら協力します」一郎さんの考えは、ある種柔軟で受け身感の強いスタイルです。
コロナ禍前後での出会いの数や感覚について聞くと、大きくは変化を感じていないそうです。とはいえ、元々マッチ数が多いタイプではないので、変化を感じにくいという側面もあるかもしれません。
一郎さんの言葉だけを汲み取ると、条件はいたって普通で柔軟性があり、こだわりもそこまで強くなく、出会いに苦労するようには見受けられません。
しかし、婚活というのはこだわりすぎるとダメと言われるものの、“なんでもOK”と言わんばかりの柔軟性があると、逆に決め手に欠けて長期化する傾向があります。その間でバランスを取ることが、婚活のキモなのかもしれません。