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『MIU404』が終わった今、もう一度観たい『アンナチュラル』

死を見つめることで、生を描く

 そして最終回では中堂の恋人・夕希子を殺した犯人でもある連続殺人犯の高瀬(尾上寛之)との対決が果たされました。
死を見つめることで、生を描く

(画像:『MIU404』公式サイトより)

 ここでは『MIU404』の第10話、伊吹(綾野剛)の「生きていれば何回でも勝つチャンスはある!」にも通じる、ミコトの育ての母・三澄夏代(薬師丸ひろ子)の「生きてる限り、負けないわよ」との言葉が登場。また『MIU404』のガマさんのエピソードとどうしても対比させられる、「不条理な死」へのミコトから中堂への訴えと、高瀬の自白につながったキーワード“同情”もミコトの口から発せられます。  死を見つめることで、生を浮かび上がらせた『アンナチュラル』。全話を通じて、“食べること”を描いているのも、生への思いを強くします。世の中は不条理だらけですが、それでも私たちは生きていきます。  社会の今(もしくは先)を盛り込みながら、単なるフィクションを越えて訴えかけてくる野木・新井・塚原トリオ作品は、すでに見ていて先を知っていても、考えさせられることばかり。「『MIU404』が終わってしまった!」とお嘆きの人も、この秋、『アンナチュラル』を改めて見直してみてはいかがでしょう。 <文/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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