Entertainment

塩顔バディ『MIU404』に続く刑事バディもの『キワドい2人』を比べて分かること

異母兄弟の正反対バディが愛おしい

 実は山田涼介と夏の終わりの相性は非常に良く、昨年も彼は『セミオトコ』で夏の疲れを抱えた視聴者を癒してくれました。  今回の役は『もみ消して冬』にも近く、生真面目で、ちょっとズレていて、涙もろくて、一生懸命なキャリア刑事がよく似合っています。「弟」感もありますし、白い肌をすぐ赤くしたり、小鼻をふくらませて興奮する様子は、ハムスター的でもあります。  対する「兄」田中圭のほうはキレ者で破天荒で口が悪くて、どこかルーズで……『おっさんずラブ』のはるたんでブレイクして以降、どうしても「はるたん」感を求められることも多い彼ですが、実はこの役、近年では最も色気があって、かっこいい気がしています。  また、『MIU404』の二人に比べ、こちらはわかりやすく正反対バディですが、一緒に暮らしたことがなかった「異母兄弟」というのもポイント。  ルールを破った「弟」にバディ解消を言い渡したものの、結局気になって助けちゃう「兄ちゃん」ぶりが見られたりするのは、なかなか愛おしいです。

今バディモノが作られるワケは制作メリットの多さ

 刑事モノ・医療モノは比較的安定した数字をとりやすいことから量産されていますが、昔は刑事モノというと、太陽にほえろ、西部警察、特捜最前線などチームが基本でした。  でも、チームの場合、キャラ一人ひとりの背景をじっくり描きこまなければいけないためにロケ地やセットもたくさん必要になりますし、  何しろキャラを動かしにくい。一人ひとりを立たせるには、死者も結構出たりします。  その点、バディモノはメイン二人をじっくり描けて凸凹のキャラの化学変化を描けるうえチームモノに比べて、ロケ地やセットが必要になる場所なども限定的でストーリー的にも小回りがきく。  一話完結もハマりやすいし、バディの二人を中心にしてチームも描けるなど、様々なメリットがあるのではないかと思います。 <文/田幸和歌子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ