…女性として仕事をしてきて、不自由さを感じることが多い
また、上原先生はSNSで、将来的に女性のために医師という職業を超えた取り組みをしたいと語っていました。その真意は!?
「美容業界では、日頃から女性とお仕事することが多いんです。そんな中で、すごい能力があるのにもかかわらず、家事や育児に時間を割かなくちゃいけないから、仕事をセーブしなければならないという女性が多くて。
責任を持つ立場の女性が、一度仕事を辞めたら同じ立場のお仕事に戻るのも難しいし…女性として仕事をしてきて、不自由さを感じることが多いんですね。
だって男性が、育児とか家事を奥さんにまかせて100%で仕事してたら、そりゃ実績ができるの当たり前じゃないですか。だけど女性は家事などを負担しながら、時には親の介護とかも…。それでも仕事にくらいついている女性ってすごく強い。だから、そんな女性たちを支えたいんです」
上原恵理先生
「また、働きたいけど少ししか働けない女性同士が補完しあえるコミュニティがあれば、100%の力が出せる組織ができるんじゃないのかなって。私はこれまでずっと仕事をしてきて、国に期待してもなんだかなぁって感じてるので、民間で女性がもっと輝けるプラットホームを作れたらいいなって考えています」
もし実現したら、働きたい女性にとっての理想郷!
そして上原先生は、現在100%オーナー兼院長として理想の場を準備しているとSNSで発表。自立した女性として、どんどん前へ進んでいく姿はかっこよすぎます。
「私、元々コネがあったわけでもお金があったわけでもないし、女性として医療業界にいると“ガラスの天井”を感じて、医者として教授になる王道コースから挫折しまくった人間なんです。それでも頑張っていれば、なにか次のステップに一歩一歩上っていける、女性として起業していくことを続けていれば“やればできるんじゃない”って思ってもらえるのかなって。だから、毎日すごく働いてます(笑)」
ガラスの天井とは、職場などでの昇進で、女性をはじめとするマイノリティの人々が、それよりも上へはのぼれないよう立ちふさがる、ガラスのように目に見えない制限・障壁のたとえです。
聞けば、ほとんど休みなく働いているエネルギッシュな上原先生、その頑張りの源はどこにあるのでしょうか!?
「反骨精神ですね。これまで働いてきて“女のくせに”みたいに言われたことが多々あったので、半沢直樹じゃないけど『倍返しだ!』って気持ちです。
あとは、自分自身に負けたくないって気持ち。美容外科って、病気じゃない人にメスを入れる超ハイリスクな世界なので、どんなに頑張っても患者さんの要求を100%叶えられなかったり、予想していないトラブルがあったり、悔しい思いや申し訳ない思いもたくさんしてきました。
SNSではあえて楽しそうな面だけを出してますけど、裏側はどちらかというと辛いことの方が多いし、華やかなセレブライフみたいなのは全く無い(笑)。今回発売したクレンジングが売れたとしても、次の商品を作るために売上げを使っちゃってるんでお金が入るわけでもなく…。だけど、終わらない戦いを、ずっと根性で戦ってます。『いつか見てろよ!』って(笑)」
“こすらない美容”を提唱し、独自のクレンジングを開発。そして、オーナー院長に…、一歩ずつ夢を現実にしていく上原先生。女一人、戦う背中を見ているだけでも勇気づけられます!
<上原恵理 取材・文/満知缶子>
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