ところが2年前、彼女の妊娠中に彼が浮気をしていたことが発覚、「まさかのできごと」だったとマリエさんは言う。 「夫は、私が疑うなり土下座して涙を流して謝りました。だからといってすぐに許すとも言えなくて。そのころ私は妊娠8ヶ月。早産の危機もありました。それなのに、実は相手の女性とは結婚前からのつきあいだったと知って絶望的になったんです」 　相手は高校の同級生。彼女が結婚してから関係が始まったという。そしてマリエさんにとっては気の毒なことに、もうひとり新たな女性の存在も明らかになった。 「同級生とは単なるセフレである、と彼は釈明しました。新たな存在は彼の会社の後輩。気が合う仲間のはずだったのが、いつのまにかそういう関係になっていた、と。 　いつの間にかそういう関係になることなんてあり得ない、お互いにその気があったからでしょと怒鳴ったら、『いや、本当に気づいたらホテルにいて……申し訳ない』と平身低頭。そのとき、あら、この人って単なる女好きで調子がよくていいかげんなヤツだったんじゃないの、と思ったんですよね」 　紹介してくれた友人夫婦に話すと、ふたりとも絶句。「調子のいいところはあるけど、そんなに浮気性だとは知らなかった」とのことだった。 「脇が甘すぎるんですよね。発覚後も女性たちとどうやら関係は続いている。私が寝ているわきで女性とメッセージのやりとりをしているんです。ガバッと起きて『あんた、私のこと舐めてるでしょ』と怒鳴ったら、本当にひぃっと飛び上がって逃げていきました」 　別れようとも思ったが、とりあえず子どもを産んでから考えようとマリエさんは決断を先送りした。そして娘が産まれると、夫はがらりと態度を変えた。 「娘がよほどかわいかったんでしょう。自ら育休代わりに残業はしないと決めて、毎日早く帰ってきては子どものめんどうをみたり私をケアしてくれたり。あのときは本当に感謝しました。彼が改心したと思っていたんです」 　ところが娘が1歳になったころ、またも彼の携帯から浮気の証拠が発見された。