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がんの夫と過ごした最後の2週間。交互にくる温かい時間と苦しい時間

 筆跡アナリストで心理カウンセラーの関由佳です。約3年がんの闘病をした夫ですが、亡くなる約2週間前に病院から帰宅。自宅での看護生活となりました。
がんで余命数週間の夫との介護生活。交互にくる温かい時間と苦しい時間

写真はイメージです(以下同)

【夫が亡くなる3ヶ月前にプロポーズをしてくれた話】⇒がんで余命3か月の彼から突然プロポーズ、私が出した答えは  すでに手の施しようがなく、ほぼ食事もトイレも自分ではできず、痛みをコントロールしながら過ごす生活。当然、家に帰ってきたら、妻である私の全面介護ということになります。  最初はどうなることかと思っていましたが、私にとってはかなり濃厚な、夫との最後の時間となりました。

「家に帰りたい」夫の最後の希望を叶えてあげたい

「家に帰りたい」夫の最後の希望を叶えてあげたい

夫の最後の希望を叶えてあげたい

 自宅に戻ったのは、夫のたっての希望でした。脳梗塞の後遺症で失語があった上に、脳にがんが転移していたこともあり、まともに会話がしにくくなっていたのですが「家に帰りたい?」と聞くと、その質問にだけは「うん」と即答。  どうやら主治医や看護師さんにも同じだったようで、どうにか夫の最後の希望を叶えてあげたいと思うようになりました。  正直、私も自宅で仕事をしているので、入院先の病院に毎日通うよりは、夫には家にいてほしいと思っていました。そこで主治医と病院のソーシャルワーカーと担当のケアマネジャーに相談。しばらくして関係者を交えて打ち合わせをすることになりました。

看護師の言葉が私の覚悟を試す……

看護師の言葉が私の覚悟を試す……

看護師の言葉が私の覚悟を試す……

 それまで、ちょっとした面談をするくらいだろうと勝手に思っていたのですが、行ってみるとケアマネジャーとソーシャルワーカー、主治医と訪問看護の看護師2名、訪問医療の医師の6名が勢ぞろい。夫が自宅に戻るにあたり、家に必要な介護用品についてケアマネジャーが説明し、生活や処置について主治医と看護師が相談。  私としては目の前のやり取りが、まるでアベンジャーズがそろって作戦会議を進めているようで、なんだか現実味がなくぼんやり聞いていたのですが、ふと1人の看護師が厳しい表情で、まっすぐ私の目を見つめて問いかけてきたのです。  「奥さん、今の旦那さんを家に帰すということは、どういうことが自分に起こるか、理解していますか?
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看護師の質問に背筋がゾクッとした
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