その言葉で、ようやく私の脳はピントが合い、現実を直視。
そう、夫を自宅に帰すということは、私が最期を看取るということなのです。

夫を看取る覚悟はずっとし続けてきたこと
わかっていたつもりでしたが、改めてはっきり聞かれ、正直背筋がゾクッとしました。ですが、もう夫を看取るというのはずっと覚悟し続けてきたこと。だからこそ他の誰にも頼みたくなかったですし、何より自宅に戻りたいという夫の希望は、私に最期まで一緒にいてほしいという意味のはずです。
私は「
はい、わかっています。覚悟はずっとしています」と看護師に言葉を返すと、彼女は厳しい表情からスッと力を抜き、「わかりました。では私たちがしっかりサポートするので、何かあったら全力で頼ってくださいね」と優しい言葉をかけてくれました。この瞬間、私の覚悟はがっちりと固まりました。
その会議が終わった、3日後。しんしんと雪の降る日に、夫は介護タクシーで自宅に帰ってきました。

日当たりのいいリビングに介護ベッドを置き、ほぼ一日中ずっと一緒に過ごしました
2名の介護士の方が、夫を毛布でぐるぐる巻きにして寒くないよう、丁寧に部屋のベッドまで運んでくださり、なんてかっこいい仕事だろうと感動したのを覚えています。
さらにその日の夕方に、再度アベンジャーズが自宅に集合。ケアマネ、訪問看護師、ヘルパー、介護用品店の担当者が集まり、次の日からのシフト組みと、私へ簡単な介護のアドバイスをくれました。
日本の福祉って捨てたもんじゃない! 私はこの日、本当に温かいケアを受けて、そんなことを強く感じました。