
斉藤綾香さん(仮名・25歳・契約社員)は、コロナ以降、自転車に乗る頻度が高くなりました。
「週3日はテレワークなのですが、残りの2日間は通勤でかなり混んでいる電車に乗らないといけないので…それ以外、移動はなるべく自転車を使うようにしているんです」
そうして、密な空間を避けているうちに、すっかり風を切って走り回る事にハマってしまった綾香さん。
「毎日のように乗り回していたら、いきなりパンクしてしまって…仕方がないので近所の自転車屋さんに持っていったんですよ」
到着すると、自転車屋さんから怒鳴り声が聞こえたそう。
「どうやらパンク修理を頼みにきたお客さんのオジさんが、自転車屋さんから『今日はパンクの人が多く、すでに6台預かっている状況なので、修理が終わるのは明日以降になってしまう」と言われてキレていたみたいで」
ブツブツ文句を言いながら自分の自転車を持ち帰ったオジさんとすれ違いで入店し、修理をお願いする綾香さん。
「私は別に明日以降でも構わなかったので、すぐ手続きしてもらいました」
「大変ですね」と自転車屋さんに声をかけると「今、コロナの影響で自転車を利用する人が増えているので、その分パンクも多い」と教えてもらい、納得したそう。
「すると今度は、30代前半の男性が店内に入ってきて、自転車さんの説明を受けていたのですが…さっきのオジさんと態度が全く違ったんですよ」
笑顔で「え、僕で8台目ですか?大変ですね…あの、お忙しい所すみませんが僕もお願いしちゃって大丈夫ですか?」ととても感じが良かったのだとか。
「コロナでピリピリした人が多い中、柔らかい雰囲気の人を見かけると安心するなと思いながら、私は手続きを終えて帰宅したんです」
そして翌日、自転車を引き取りに行くと、なんと偶然昨日の彼も来ていたそうで…。