次に彼が来た日、仲直りのしるしに…とビールをすすめると…
「Yはビールを飲むとすぐに眠くなって、うたた寝して、あわてて終電で自宅に帰る事がよくあったので」
案の定、眠ってしまったYさん。
「Yのスマホをそっと取って、パスコードに子供の誕生日を入れたら解除できたので、Yの寝ている写真を撮って、奥さんにLINEで送ってやりました」

そして「Yさんが、奥さんの料理はちょっと味付けが濃過ぎるって言ってますよ~」とメッセージも送るとスッとした祐美子さん。
「すぐにYを『もう終電の時間だよ!』と叩き起こして帰らせました。いったいあの後どうなったんでしょうね?」
Yさんとその後一切連絡は取っていませんが、職場で会うYさんは日に日に痩せているように見えるそうで…。
「もしかしたら奥さんに相当絞られたのかもしれませんね。私とは事務的な会話以外はしてこなくなりました」
初めて不倫をしてみて、もうコリゴリだと語る祐美子さん。
「不安や寂しさから不倫に走っても、一瞬気持ちがまぎれるかもしれませんが、その後それ以上の不安や寂しさに襲われるんですね」
そして単純に、好きだと思っていた男性にないがしろにされた事が傷ついたそう。
「怒りにまかせて、奥さんに酷い事をしてしまい申し訳なかったとは思いますが、Yに対する恨みが消えるのはまだまだ時間がかかりそうです」とため息をつく祐美子さんなのでした。
<文&イラスト/鈴木詩子>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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