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日本の男性アイドルファンがBTSに流れ中?BTSは何がそんなに凄いのか

驚くほどシンプルな構成

 こうしたシックを求める姿勢は、音にも反映されています。  大ヒット曲「Dynamite」を聴くと、驚くほどシンプルな構成に驚かされます。コードは4つだけで、しかもどの場面でも同じ順番で繰り返される。使われている楽器やフレーズのパターンも、きわめて限定的。ファッション同様、すっきりしているのです。  かといって物足りないわけではなく、必要な音が適切な場所とタイミングで鳴るという安定感を生んでいる。リスナーフレンドリーである理由のひとつでしょう。

J-POPとは正反対

 この点に関しては、日本も大いに学ぶ必要があると感じます。  2人組ダンスボーカルユニット「w-inds.」の橘慶太(34)も、「J-POPは音数もコード進行も多すぎるんです。詰め込みすぎて、情報が多すぎるんです」(「Yahooニュース」w-inds.インタビュー(2018/8/19)より引用)と語っている通り、音楽をトータルコーディネートとして捉える視点においては、K-POPから大きく遅れを取っていると言わざるを得ません。  BTSの曲は、ケレン味がなく、潔い。クリスプな耳心地が、サブスク時代にマッチしているのだと思います。  来年1月31日のグラミー賞も気になるところですが、いずれにせよ日本でのBTS旋風は、しばらく収まりそうにありません。 <文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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