コロナ貧困に苦しむ女性たち。31歳で「嫌だけど」手を出した“仕事”
今夏、週刊SPA!編集部ではコロナ禍で加速する“女性の貧困”の実態に迫った。あれから数か月──。年が暮れようとする現在も、この“女性不況”は収束の兆しが見えないままだ。このコロナ禍で女性たちに何が起こっているのか?
「前職の薄給が嫌になって、比較的高収入で雇用も安定している看護師を目指そうと思ったんです」
そう話すのは、増田美香子さん(仮名・31歳)。今年の頭に8年近く勤めていた会社を辞め、現在は看護系の専門学校に通っている。30歳を過ぎて大きな決断をした彼女だが、現在はコロナの影響で経済苦に陥っているという。
「6月頃まではカフェとスーパーのバイトを掛け持ちして、月15万円ぐらいの収入がありました。それを生活費や大学の奨学金の返済、専門学校の学費にあてていました。でも、7月頃から学生はシフトがどんどん削られていって、手取りで月5万~6万円に。赤字は貯金を取り崩してやりくりしてました」
両親の大反対を押し切って会社を辞めたので、頼ることもできない。藁(わら)にもすがる思いで手を出したのは、パパ活だった。
「最初は嫌悪感しかなかったです。でもネットで見つけたクラブは性行為がNGでも仲介してくれるのを知って登録。基本的に食事だけで1万~2万円。1か月で15万円ぐらい稼げました」
それと同時に恐怖も覚えたとか。
「金銭感覚が狂う怖さもあるし、回数を重ねれば相手もそれ以上の関係を求めてくる。クラブの人には、『深い関係を持てば、一回で5万円とか稼げちゃうよ』と言われるけど、その一線を越えたら、抵抗感もなくなりそうで……」
2年前に婚約破棄を経験した彼女には、「このままずっと一人かもしれない」という思いがある。
「結婚観が合わず、自分から別れたけど、『もし、あの時に結婚していたら』と後悔することもあります。パパ活も歳をとれば難しくなるし、来年から学校が本格的に始まったらバイトの時間もなくなる。今は無理してでも稼がないと……」
一線を越えてしまう日が来ないことを願うばかりだ。
新たな夢を踏みにじるコロナ
パパ活で凌ぐ戸惑いの日々

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