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コロナでアパレル店員は解雇の嵐。女性の貧困化が止まらない

 今夏、SPA!編集部ではコロナ禍で加速する“女性の貧困”の実態に迫った。あれから数か月──。年が暮れようとする現在も、この“女性不況”は収束の兆しが見えないままだ。このコロナ禍で女性たちに何が起こっているのか?

吹き荒れるアパレル不況。求人には女性が殺到

貧困女子

写真はイメージです

 新型コロナの影響で、さまざまなブランドで店舗縮小などが相次ぐアパレル業界。大手5社が発表しただけで、閉店は計3000店を超える。レナウンは破産、希望退職を募ったのはオンワード、ワールド、TSI(ナノ・ユニバースなどを運営)など多数ある。  業界全体の不況を受け、貧困に陥るアパレル店員がさらに増えている。今年3月に東京から関西に引っ越した水元藍さん(仮名・28歳)もその一人だ。 「4月から引っ越し先近くのショッピングモールにあるお店で働いていたのですが、緊急事態宣言で休館、5月には解雇されました。引っ越し費用で貯金も使い果たしていたので、しばらくは失業手当の月8万円とカードローンで生活費を確保しました」  家は幼馴染みとのルームシェアで、家賃と光熱費を合わせて月6万円。慌てて派遣会社に登録したが、まったく仕事がなかった。 「今はキャリアのある人材が数少ない応募に殺到していて、なかなか面接にもたどりつかない。数十社に応募して、面接まで進んだのは1社だけでした。必死にアピールして、9月頭に近くのアパレル店になんとか採用されました」

「元婚約者が私名義のクレカで…」

 手取り18万円。生活費を引いた残りすべてをカードローンの返済に充て、ようやく借金残額30万円というところまできたが、彼女には貧困から脱せない理由がある。それは元婚約者がつくった借金だ。 「私名義のクレカでキャッシングを勝手に繰り返していて、こっちの借金は残り約250万円。彼の両親には月々10万円の分割払いで返済する借用書を書かせましたが、いつ滞るかもわからない。今は風俗を始めて、そっちの給料の月10万円は返済に回しています」
貧困女子

水元さんは元婚約者の借金の一部を返済しているという

 朝方まで風俗で働き、わずかな仮眠をとって、お店に出勤することも。 「いつ仕事を失うかわからない怖さが常にあります。アパレルのほうも売り上げは厳しいし、店がなくなるかもしれない。それに一刻も早く借金を返して元婚約者との関係を断ち切りたい。真っ当な生活に戻りたいだけなんです」
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契約打ち切りで、配送業に転職するも……
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