小澤廉のDVに見る異常心理。“ペット扱い、体に落書き”が示す闇/森林原人
愛のふりをした拘束から離れられなくなる
はたから見たら「早く目を覚まして!」といった感じですが、本人は「愛とは自己犠牲であって、苦しいのは真実の愛だから。それに彼のことを理解、サポートしてあげられるのは自分だけ。この我慢はいつか報われる。その時には周りもわかってくれる」と信じています。そうでもしていないと、自分がしていること、してきたことを否定することになってしまうので怖いのです。出来る限り目を覚ましたくないのです。
僕の定義では、“愛”の本質と“拘束”は矛盾します。“愛”とは、相手のあるがままを受け入れ、喜び、見返りを求めずに与えることです。だから、相手の自由を制限したり、あるがままの状態から自分の好みに変形、固定させる“拘束”は“愛”ではありません。
暴力で相手を所有する最悪のケース
ざっくりとした言い方をすれば、相手を“モノ”扱いしているということは“愛”ではないです。ペットや奴隷という扱いは、その存在や内面を尊重しないという意味で“モノ”扱いです。飼っている犬や猫を“愛”している方たちは、犬や猫に他者性を認め、人格があるかのように接しています。その様子はペットではなくパートナーといった感じで、関係性が対等に近くなっています。この場合は、ペットであっても人格を認められた“ヒト“です。
自他の区別を、他者への尊重とともに出来ないと、相手を自分の下と見たり、自分の延長線上に置いてしまったり、所有“ブツ”と思ってしまいます。
他者の尊重はできても、そのために自己否定したり自己犠牲が過ぎると、今度は逆に、自分を相手の下に位置させてしまい、所有“ブツ”になっていってしまいます。
今回の事件の彼は、彼女を自分の所有“ブツ”にしました。彼は、恋人に対して愛情ではなく、所有の意識で繋がっていたのでしょう。そういった所有関係のカップルはいくらでもいるのですが、今回のケースは、それを維持するために暴力を使っていたのがこれまた最悪です。
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