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小澤廉のDVに見る異常心理。“ペット扱い、体に落書き”が示す闇/森林原人

加害者のほうが依存度が高い

 暴力の本質は、痛みと恐怖による支配です力の本質にいて 暴力は、肉体的にも、精神的にも他者を傷つけます。記事には、DV被害の生々しい痕の写真が載っていました。間違いなく痛かったことでしょう。ですが、肉体的痛みは時間が経てば和らぎ、傷もある程度回復するのでまだ救いがあります。一方、精神面はなかなか回復出来ません。むしろ、時間とともに傷が深くなったり、増えていきます。愛だと思えていた時には気がつかないふりができた心の傷が痛みだします。

体に落書きは、自分の所有物だと示す行為

 正直に話せば、僕は“愛の拘束”の加害者にも被害者にもなったことがあります。だからわかるのですが、どちらの立場であっても相手に依存しています。パッと見は被害者側が依存している、させられているように見えますが、依存の度合いで言えば加害者側の方が強いです。相手がいなければ自分を保てないのは加害者です。だから、別れたくないとすがるわけです。 依存度が高いのは加害者 《調教》《ご主人様》《ペット》《絶対服従》といった上下関係をはっきりさせる言葉や、体への落書きは、自分の所有“ブツ”であることをはっきりさせるための行為です。行為中の撮影も、支配の証拠の一つです。  妊娠は最高の支配行為のようですが、支配の仕方も自己都合優先でコントロールしていたいし、自分がしていることのヤバさが世間に露呈することは避けたく、密室性を維持するには邪魔でした。彼の中では、妊娠は現実的なことではなく、2.5次元のことだったのではないでしょうか。

孤独で臆病で弱い

 そして、他者と支配や拘束、所有意識でしか関係を築けないので、相手が気に入らない意思表示をすると暴力を振るったり、逆ギレしてねじ伏せようとします。  ずっとずっと孤独で、臆病で、弱いのです。  だからといって、暴力をふるっていいわけがありません。同じ過ちを繰り返さないためには、自分の無力さを受け止め、誰のことも支配することは出来ないんだと理解していかなければなりません。そして、依存の仕方を改めなければいけません。舞台やドラマやAVじゃないんだから、誰かの心を縛り続けることなんか、ましてやそれをセックスですることは出来ないのです。
森林原人さん

森林原人さん

<文/森林原人> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
森林原人
1979年生まれ。1999年にAV男優デビュー。出演本数1万本。経験人数9千人。セックスの虜になり道を踏み外したと思われているが、本人は生きる道を見つけられたとむしろ感謝している。著書に『イケるSEX』(扶桑社)、『セックスお悩み相談室』(扶桑社)他。性と向き合い、性を知り、性を楽しむためのサイト「リビドーリブ」とYouTubeチャンネル「森林原人YouTube」を運営。★Twitter(@AVmoribayashi)/★Instagram(@genjin_moribayashi_1979
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イケるSEX

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