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帽子は便利なのに、かぶる人が増えない理由

わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。

帽子は実用アイテム

アイテム10「帽子」

昔は、お出かけには帽子がつきものだったけれど……
(※画像はイメージです)

 20代の終わりごろから、外出時には帽子をかぶっています。私が帽子をかぶるのは、おしゃれのためというよりも実用的な理由です。  まずは太陽光の刺激で頭痛がするので、直接目に日光が入らないようにするため。そして夏は紫外線対策、冬は寒さ対策です。もちろん伸びすぎたショートカットをごまかすのにも帽子は適しています。  西洋の衣服の歴史を振り返ってみると、貴婦人のお出かけの際には帽子はつきものでした。1950年代のファッションショーでもモデルは帽子をかぶっていますが、その後、ファッションがカジュアルになるにつれて、帽子は必ずしもかぶらなくてもよいものとなりました。

帽子をかぶる人が増えない理由は?

 街を少し歩いてみればわかるように、真夏の紫外線対策以外で帽子をかぶっているのは少数派。昔より帽子屋さんがふえているにもかかわらず、日常的に帽子をかぶっている人はなかなか増えません。  なぜでしょうか。理由の一つは、多くの人が自分が思うような帽子が見つからない、と思っているからだと思います。たしかに帽子選びは難しい。
アイテム10「帽子」

帽子屋さんが増えているのに、日常的に帽子をかぶる人が増えない理由は…
(※画像はイメージです)

 サイズ、色、素材、形で選んではみるものの、かぶってみると、なんとなく違うんだよね、という帽子のほうが、これこそが私が探していた帽子! と思うものよりも多いでしょう。特に帽子は頭に乗るものなので、かぶると頭の形に影響が出てきます。  頭の大きさのバランスが変わると、どうしても全体のバランスも変わってきますから、顔や髪型だけに合わせて帽子をかぶってみても、全身で見るとバランスが悪いとなんとなく感じる人が多いということもあるでしょう。  そして次に、やっとこさ、自分に合うと思うものを見つけても、なぜかかぶらなくなってしまうということはないでしょうか。

帽子を脱がなければならない場面が多いのに…

 形も色も素材も気に入った、サイズもぴったり、だけれども今日はこの帽子はかぶれないなと思ってしまう。なぜでしょうか。理由は、この帽子は畳(たた)めないから。そういうことがよくあります。  実は帽子をかぶって出かけると、結構な割合で帽子を脱がなければならない場面が多いのです。例えば誰かの家に上がったとき、神社仏閣へ行ったとき、映画館で映画を見るときなど、何かというと帽子を脱いで、さっとバッグにしまわなければなりません。
アイテム10「帽子」

日常生活の中では、帽子を脱がなければならない機会にしょっちゅう出くわす
(※画像はイメージです)

 日常生活の中では、敬意を表する必要がなくても、脱帽しなければならない機会にしょっちゅう出くわします。  気に入って買ったものの畳めないという理由であまりかぶらなくなった帽子がいくつかある中、この帽子は色、形、サイズともぴったりで、しかも畳めます。 P1020729 というのもこの帽子は私が自分で作ったもの。  生地は私が文化服装学院の学生だったころ、スーツを作った生地のあまり生地、内側はブラウスを作ったあまり生地、そして内側のサイズテープは、気に入ってよくかぶっていたけれども、もうよれよれになってかぶれなくなってしまった帽子のサイズテープを再利用したものです。  ネイビーに白いストライプが入ったウール地のキャスケットで、もう10年以上、かぶっています。この形があまりに気に入ったので、もう一つ、茶色い起毛素材で同じものを作りました。
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トレンドファッションにも帽子が
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