――恐竜博物館とか、行かれるんですね。普段はどんなことをされているのでしょう。
北村「僕、びっくりするくらい趣味がないんです。それに、今は子どもが2人小さいこともあって、家にいられる時間はできるだけ寄り添っていたいなと。まあ、妻に聞かれたら怒られるかもしれないですけど(笑)。なるべくね。
今日も、取材のために出なくちゃいけなかったんだけど、『遊ぼう、遊ぼう』って言ってくるものだから、『15分だけな』と、ドッジボールをしてきました。
自分はもっと役者バカで、家族をないがしろにする昔のタイプだと思っていましたが、そういう時間が嫌いじゃないんだなと。割と普通でした(笑)」
――本作も家族の物語ですが、親子というと、北村さんのお父様はとても活躍された演技派の北村和夫さんです。北村さんが役者を目指したきっかけは、学校の文化祭で演劇をやったときだと伺っていますが、お父様からの影響は?

『ヤクザと家族 The Family』より
北村「あったと思いますよ。子どもの頃から、大人向けの舞台も連れられて観に行ってましたし。影響しているかしてないかといったら、絶対にしているし、背中も見ていたと思います。自然とね。そうしたベースがあったうえで、たまたま文化祭で演劇をやったときに、『
あ、うちの親父ってこういうことをやってるんだ。面白いかもしれない』と感じた。で、やってみようかなと。それに対しては賛成も反対もなかったです」
――実際に芝居のお仕事を始めてからもなにも?
北村「親として心配はしてたと思います。でもぐっと堪えてたんじゃないですか? たぶんアドバイス的にはいくらでもあったはずだし、『出してやるよ』といったことも出来たのかもしれないですけど、そういうのは嫌ってたんでしょう。『
お前はお前でやれ』という感じでした。僕もなるべく七光りの光の当たらないところ当たらないところと探してやっていました。そうしたなかで、『
あれ、親父の光は意外とすげーんだな。ここも当たってるのか』と、改めて親父の大きさを知る感じでした」