記憶と結びつく香り。はやりの香水も考えものと思った理由
『わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。
日本語では「香水をまとう」と言います。英語でもwearを、フランス語でもporter(プレタポルテのポルテと同じ)というように、香水をつけることを表現するのに、衣服を着るときに使う動詞と同じものを使います。
洋の東西を問わず、香りというものは、昔から衣服の一部として考えられてきたのでしょう。多くの服のブランドでは香水も売っています。
皆さんもご存知のように、香りは記憶と深く結びついています。歌うたいの彼がドルチェ&ガッバーナで何かを思い出すように、香りは、時には誰かに何かを思い出させます。
私の場合はカルバンクラインのエタニティでした。
私が働いていたアパレル企業にいた、部下に暴言を繰り返していた最悪の女性の上司がいつもつけていたのがエタニティ。そのため、私は道ですれ違う誰かからエタニティの香りが漂ってくるたびに、いちいち具合が悪くなったのでした。
そのときに思いました。あまりにもはやっている香水も考えものだな、と。
香りは衣服の一部
そのせいでしょうか。洋服を作る人たちは、何かしらの香りをまとっている人が多いように感じます。それぞれに自分の香りというものを持っていて、その香りをつけて職場に来ても、誰かからとがめられることはありません。